物流管理ソフトなどを販売するカナダのデカルトシステムズでCEO(最高経営責任者)を務めるマニュエル・ピエトラ氏は、物流業界でICタグが普及するパターンを二つ挙げる。影響力の大きな企業がICタグ利用を推奨するか、ICタグの価格がバーコードよりも安くなるかだ。しかし、「現状ではいずれもありえず、物流でのICタグの普及はまだまだだろう」と語る。

 ピエトラ氏は前者のパターンに関して、「流通業界は米ウォルマートが強力にICタグの利用を推進しているため、普及が進むかもしれない。しかし物流業界では、そのような動きはない」と指摘。後者のパターンについては、「物流の管理業務を見ると、バーコードの代わりに、どうしてもICタグでなければならない分野はない」とする。

 さらに、「ICタグが普及したとしても、プライバシ問題をきちんと考えるべき」とピエトラ氏は指摘する。「携帯電話事業者はGIS(地理情報システム)を用いて誰がどこにいるのかを把握できるが、それを積極的にマーケティングに活用することはない。同様のことがICタグを利用する企業に求められるが、今はその環境が整っていない」(同)。

 デカルトシステムズは物流管理ソフトの販売のほか、国際貨物追跡サービスを提供している。昨年、日本法人デカルトシステムズ ジャパンを設立し、ハイテク業界を中心に売り込んでいる。ピエトラ氏は、「当社もICタグの実証実験は進めている。(自分の予想が外れて)ICタグが普及しても、すぐに対応できる準備はしている」とした。

島田 優子=日経コンピュータ