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 日本アイオナテクノロジーズは早ければ7月から、システム連携ソフトの「Artix」を出荷する。システム連携に使用するミドルウエア同士をつなぐ製品。日本BEAシステムズのトランザクション処理モニター「BEA Tuxedo」や日本IBMのメッセージ転送ソフト「WebSphere MQ」など、異なるベンダーのミドルウエア製品間でメッセージをやり取りできるようにする。「結果として既存システムに手を入れることなく、システム連携を実現できる」(江川潔テクニカル・セールス・マネージャ)。

 Artixは基本的に既存システムと同じハードウエアで動作し、プロトコル変換とルーティングを実行する。具体的には、そのシステムが別システムから問い合わせを受けたら、あらかじめ設定しておいた経路(どのようなデータをどのネットワークを通じて返信するか)に従ってArtixがメッセージを仲介する。

 Artixを介して通信することで、データを呼び出す側のシステムからは相手先のシステムが同じプロトコルを使うように見える。「Artixにより、技術が違うために複数の“島”に別れていた社内システムを統合できる」と江川マネージャは説明する。扱えるプロトコルはSOAP、IIOP、MQ、Tuxedoの独自プロトコルなどだ。

 既存システムのアプリケーションを基に、Webサービスのインタフェース定義であるWSDLファイルを自動生成する機能を備える。既存システムを容易にWebサービス化することができる。Webサービスによる連携で課題となっているセッション管理、トランザクション管理、負荷分散などはArtixが受け持つ。これらの機能は、同社のCORBA製品「Orbix」の独自技術を流用して実現した。

 既存システムに手を加えずにシステム間連携を実現するという考えは、EAI(アプリケーション統合)製品に似ている。しかし、「既存システムとのアダプタも含めると、億単位の初期導入費用がかかることもあるEAI製品より、Artixは安価ですむ」と江川マネージャは強調する。さらに、「EAIによる連携は必ずハブ(中心)となるサーバーを介して通信するため、ハブ・サーバーの処理能力がボトルネックになることがある。Artixならばこうした問題ない」という。ただし、高機能なEAI製品が備えるような、コンテンツ変換機能やビジネス・プロセスの定義機能はない。

 Artixは利用できる機能によりスタンダード、アドバンスト、エンタープライズの3製品に大分できる。1プロセサ当たり価格はそれぞれ、22万5000円、75万円、150万円になる見通し。

矢口 竜太郎=日経コンピュータ