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 スパム・メール判別の精度を向上するサービスがもうすぐ登場する。米アイアンポート・システムズが年内にも国内で始めるものがそれ。同社インフォメーションサービス部門ディレクターのアンビカ・ガトレ氏によると、「米国では9カ月前から提供を始めており、利用者は増え続けている」という。アイアンポートはすでに日本オフィスを開設済み。

 アイアンポートのサービス「Bounded Senderプログラム」は、メールの送信元サーバーをチェックすることでスパム・メール判別の精度を向上するというもの。同社が「スパム・メールを配信しない適正なサーバー」と認定したメール・サーバーの情報をインターネットで公開。サービス利用企業はこのリストによりメールの送信元サーバーをチェックし、信頼できるサーバーから送信されたメールかどうか判別する。認定サーバーのリストは無料で参照できる。

 一般に、スパム・メール対策ツールは受け取ったメールをすべてチェックする。そのため、取り引き先からのメールを間違ってスパムと判定してしまう恐れがある。また、スパム判定の処理負荷が高く、送受信が遅くなりがちだ。

 Bounded Senderプログラムは、それを防ぐ。アイアンポートと米国のプライバシに関する非営利団体TRUSTeが企業のメール配信サービスをチェック。「適正」と認定した企業のメール・サーバーのIPアドレスをインターネットで公開する。企業は、メール送信元サーバーのIPアドレスを調べ、登録されていればスパム・メールでないことがわかる。登録されていなければ、スパム・メールである可能性があるので、それらのメールは別途スパム・メール対策ツールを使って処理する。この仕組みであれば、取り引き先からのメールがスパム・メール対策ツールによって受け取れない、といったことはなくなる。

 利用するためにはまず、自社のメール・サーバーに、アイアンポートのWebサイトからダウンロードしたプラグイン・ソフトを組み込んでおく。すると、インターネットからメールを受け取る際に、送信元メール・サーバーのIPアドレスを基に、Bounded Senderプログラムのサーバーに問い合わせる。ほとんどのメール・サーバー向けのプラグインが用意されている。

 メール配信企業が認定リストに登録してもらうには、メール配信リストの入手方法や配信停止に関する記述があるかなどの情報を、アイアンポートに提示する必要がある。さらに、登録費用のほかに、供託金をアイアンポートに預ける。もし登録された後にスパム・メールを配信した場合、供託金から罰金が引き落とされる。100万通のメールを配信して1件苦情が来たら、1通あたり20ドル引き落とされる。さらに、5件以上だと配信を一時停止し、10件以上だと登録を抹消し、再登録を認めない。「スパム・メール配信業者にとってはリスクが大きいはず」とガトレ氏は説明する。

 ガトレ氏によれば、「米国ではメール送信側の企業約100社が登録。メールを受け取る企業は2万8000を超えた」という。国内では、まもなく数社が試験的に利用を開始。契約書や問い合わせ対応の窓口を整え、年末には提供を開始する。

 登録にかかる費用は、送信するメール数による。米国の場合、月間50万通までなら、初期費用が375ドル、料金が年間500ドル、供託金が500ドル。

福田 崇男=日経コンピュータ