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 日本IBMがシステム構築料金の値下げに向けて、この7月から新しい開発体制を敷いたことが日経コンピュータの取材で明らかになった。複数の顧客から受注したERPパッケージ(統合業務パッケージ)の導入案件の開発作業を、IBMのセンターで集中的に処理することにした。一人のエンジニアが複数案件を並行して手がけることで、待ち時間などをなくし、回転率を上げる。それにより削減したコストを顧客向け料金の値下げにつなげる。

 まずはERPパッケージのうち、案件数の多い「R/3」向け案件で開始した。数十人のR/3エンジニアを同社の「AMSデリバリ・センター」に集め、実際に複数顧客の案件を同時に担当させている。R/3の場合、会計や販売管理といったモジュールごとに担当エンジニアが付くのが一般的。これまでは実際の作業量0.7人月分でも1人のエンジニアが専任で作業に当たることが多かった。

 日本IBMは今後、新方式の効果を見極めた上で、対象案件の範囲や利用するERPパッケージの種類を増やす方針。さらにAMSデリバリ・センターで要求定義にヌケがないかなどをチェックし、実際の開発作業はエンジニアの単価が安い地方の関連会社に委託する方式も検討している。

 日経コンピュータの顧客満足度調査で日本IBMのシステム構築能力は、高い評価を得ているが、料金に対してはユーザー企業の不満が絶えなかった。こうした不満に応えるため、日本IBMは新方式を導入した。これ以外にも関連会社への委託拡大に向けた人材育成や、中国に代表されるオフショア開発の活用といった対策をとる。

星野友彦=日経コンピュータ