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 日本IBMは7月14日、UNIXサーバー「eServer pSeries」の新製品「eServer p5」を発表した。新プロセサ「POWER5」の搭載や仮想化機能の強化などにより価格性能比を向上、国産メインフレームや他社UNIXサーバーの置き換えを狙う。システム製品事業担当の橋本孝之常務執行役員は、「これまで何度も新製品の発表をしてきたが、今回のようにわくわくするのは非常に稀」との表現で、新製品の魅力をアピールする。

 eServer p5の目玉は大きく二つ。一つは、IBMの最新プロセサ「POWER5」を搭載したこと。俵雄一pSeries事業部長は、「POWER5を16個搭載した最上位モデルは、PA-RISCプロセサ(PA-8700)を64個搭載した日本ヒューレット・パッカードのUNIXサーバーの1.5倍の性能が出る」と説明する。

 もう一つの目玉は、複数のシステム環境を1台のサーバーに統合する機能「仮想化エンジン」を用意したこと。これにより、プロセサ1個当たり10個の論理区画(LPAR)を設定したり、あらかじめ割り当てられたプロセサ資源が不足したLPARに対して、プロセサ資源を動的に追加割り当てしたりできるようになる。LPAR空間を稼働させたまま、システム資源の割り当て先LPARを変更することも可能だ。このほか、予備のプロセサやメモリーを必要なときに使い、使った分だけ利用料を支払う「オン/オフ・キャパシティ・オンデマンド(On/Off CoD)」機能も装備する。

 eServer p5はIBMにとって、今年5月に発表した中小型メインフレーム「eServer zSeries 890」や新型オフコン「eServer i5」に続き、国産メインフレームのマイグレーションをターゲットにした新製品の第3弾である。俵事業部長は、「企業名は明かせないが、他社メインフレームからのマイグレーション事例が十数件ある。なかでも一番多いのは富士通メインフレームからの移行。事例は今後も増えていくことは間違いない」と説明する。

 メインフレームで動作するシステムをオープン・サーバーに移行するマイグレーションを巡っては、「システム全体の信頼性を考えると、まだまだメインフレームに分がある」との見方が少なくない。こうした意見について橋本常務は、「確かにIBMのzSeriesはオープン系サーバーよりも高い信頼性を実現している」しながらも、「国産メインフレームであれば、価格性能比はもちろん、信頼性の面でもeServer p5で十分代替できる」との説を展開した。

 eServer p5の価格は、動作周波数が1.65GHzのPOWER5プロセサを搭載したエントリ・モデルの「p5 520」が190万6400円から。1.9GHzのPOWER5を最大16個搭載可能なハイエンド・モデル「p5 570」が、プロセサを2個搭載した構成で1260万3300円から。出荷開始はいずれも8月31日。

大和田 尚孝=日経コンピュータ