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パワードコムの中根社長 「2006年までに売り上げを倍増させる。将来は1兆円企業を目指す」。電力系通信会社であるパワードコムの再建に取り組む中根滋社長兼CEO(最高経営責任者、写真)は7月28日、自信のほどを語った。中根社長は日本IBM、SAPジャパン、旧プライスウォーターハウスクーパースコンサルタント、i2テクノロジーズを経て、6月22日に現職に就いた。パワードコムの売上高は2004年3月期で約1700億円である。

 中根社長が先頭に立って取り組む再建策の名称は『Mission Possible 2004』。「パワードコムの恥をさらす」(中根社長)ことから始まった。「パワードコムが抱える一番の問題点は、インフラ・コストがかかり過ぎていること。他社のインフラ・コストは売上高の約40%だが、パワードコムは70%。これでは利益が出るわけがない」と中根社長は言い切る。

 さらに中根社長は、「コストが高いのに過度の値引きをして、財務体質を悪化させていた。人件費の圧縮で対処しようとした結果、営業力が低下し、値引き競争がいっそう激化するという負のスパイラルに陥っていた」と自嘲気味に語る。

 「ただし、悪いことばかりではない」と中根社長はいう。「当社は優良な顧客、光ファイバ設備を自社で持っている。さらに、企業向け通信サービスに加えて、電話やFTTH(ファイバ・ツー・ザ・ホーム)などの多様なサービスのノウハウを備える。これらの財産がパワードコムの再建を支える」。

 再建の第一歩は、「財務体質の抜本的な改善」(中根社長)だ。パワードコムは東京電力などの株主の協力をえて今年9月末に、420億円の減資と900億円の増資を実施する。中根社長は「これで一息つくことができる。膨大な有利子負債を減らすとともに新たな施策を打ち出すための原資にする」と話す。パワードコムは現在、約2500億円の有利子負債を抱える。これを「増資を行う9月末に1870億円に減らし、2005年3月には1500億円まで減らす計画」(中根社長)である。

 社内の体制も一新する。「コスト削減のためには業務の標準化、システム化は欠かせない」(中根社長)ことから、管理会計や原価管理、受注予測などのシステムを導入する。「今まで、ネットワーク・サービスの受注予測をしていなかった」と、中根社長は明かす。

 加えて、営業力の強化という売り上げ倍増のための施策も忘れない。「新規顧客向けの営業担当者と既存顧客向けの営業担当者を分ける。不十分だったマーケティングを充実させる」(中根社長)方針だ。

 中根社長は、2006年以降には「法人向けネットワークと言えばパワードコムという絶対的なブランドを確立する。IPO(新規株式公開)や、M&A(企業の合併・買収)などの施策をとってでも、売上高1兆円を実現する」と言い切る。「決して風呂敷を広げたつもりはない。Mission Possibleと命名したのは、十分可能と判断したからだ」(中根社長)。

鈴木 孝知=日経コンピュータ