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 NTTデータは8月2日、2005年度第1四半期(2004年4月~6月)決算を発表した。連結の売上高が1950億円、営業利益が110億円、経常利益は114億円だった。前年度第1四半期と比べて、それぞれ285億円(17%)増、3億円(4%)増、18億円(19%)増と増収増益を達成した。

 数字だけ見ると好調な滑り出しのようだが、内実は厳しい。売上高が大幅に増えたのは、特許庁がNTTデータとのアウトソーシング契約の一部を解除したことに伴う精算の結果、臨時収入があったためだ。NTTデータが肩代わりしていたシステムの費用277億円を、特許庁がNTTデータに支払った。井上裕生取締役財務部長は、「増収分のほとんどは、ある特定のお客様からの一括入金によるもの」と認める。

 この結果、売上高の内訳は2005年度通期(2004年4月~2005年3月)の計画と比べ、公共分野での売り上げの割合が大きくなった。分野別で見ると、公共が894億円(総売上の46%、通期予想では42%)、金融が555億円(同28%、30%)、法人が327億円(同17%、18%)。事業別では、SIが1582億円(同74%、74%)、ネットワークが139億円(同7%、同6%)、保守サービスなどその他が410億円(同19%、同20%)だった。

 特許庁の契約解除が象徴するように、同社を取り巻く状況は厳しい。2004年度通期は売上高8467億円、営業利益597億円、経常利益496億円だった。これに対し、2005年度通期の見込みは、売上高8300億円、営業利益350億円、経常利益260億円と同社は減収減益を覚悟している。

 こうした状況を改善するための一策として、NTTデータは同日、システム開発子会社「NTTデータクイック」の設立を発表した。NTTデータクイックはユーザー企業から受注したシステム開発のなかのプログラム製造やテストを担当する子会社である。設立日は7月30日。NTTデータの山下徹常務取締役経営企画部長は、「業種ごとのノウハウやスキルを社内に蓄積することで、赤字プロジェクトを防止するのが一番の目的。売り上げ自体はそれほど重要視していない」と語る。

 NTTデータの浜口友一社長は以前から、システム開発における外注率の高さを問題視しており内製率を上げることを目標に掲げていた。NTTデータクイックの設立は、この目標をを実現するための第一歩と言える。

 NTTデータクイックは初年度20人程度の規模で始め、3年後には新卒者、中途採用者を合わせて100人を超える規模にする。山下常務は「この人数がNTTデータの開発案件に比べると少なすぎることはわかっており、本当はもっと人数を増やしたい。だが、能力がある人を集めようとすると100人程度が限度と判断した」と語った。

【お詫びと訂正】本記事2段落目の「特許庁がNTTデータとのアウトソーシング契約 の一部を解除したことに伴う精算」という部分は、「分割払いの契約から、一括払い の契約に変更したことに伴う精算」が正しい表現です。お詫びして訂正いたします。

鈴木 孝知=日経コンピュータ