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日本オラクルの三澤本部長 「当社に対して『高飛車』というイメージを抱くユーザー企業がいる。確かに、これまでその傾向があった。このイメージを払しょくしていく」。日本オラクルの三澤智光執行役員クロスインダストリー統括本部長(写真)はこう語る。同社は、これまで不得意だった中堅中小企業向け市場の開拓に力を入れている最中。三澤本部長は、そのための部隊であるクロスインダストリー統括本部を率いている。

 日本オラクルは数年前にも、同社のERPパッケージ(統合業務パッケージ)を浸透させるために中堅企業向けの営業活動を強化した。しかし、「オラクルの見積もり金額が高すぎて、ユーザー企業に不評だった」(三澤本部長)。このときの同社の態度を高飛車と感じて、それ以来オラクルに不信感を持つユーザー企業が存在するようだ。

 こうした不信感を払しょくするために、クロスインダストリー統括本部にいる専任担当者160人が進めているのは、「中堅企業4000社をすべて訪問する」(三澤本部長)という地道な施策。「年間数千万円ものライセンス料を払ってくれている顧客企業に、営業担当者が過去1年で一度も訪問していないという例もあった」(同)同社としては、大きな方針転換である。

 営業担当者として、それまでの担当者とは異なる若手をそろえた。「当本部の営業担当者の多くはエンジニア出身。ユーザー企業の現場担当者に役立つアドバイスができるのが強み」と、三澤本部長は強調する。

 すでに日本オラクルはこの3カ月で1200社ほどの中堅企業を訪問した。ただし三澤本部長は、「会ってはくれるのだが、訪問先ではめちゃめちゃ怒られる。打たれ過ぎて“パンチ・ドランカー”になっている社員もいるほど」と苦笑する。それでも三澤本部長は、「何しろこれまで全く手付かずだった市場なので、苦労は覚悟している。訪問して話を聞いてもらえれば、当社の製品を選ぶユーザーは必ず増えるはず」と自信を見せる。

 日本オラクルは製品やパートナーに関しても、着々と中堅中小市場攻略の戦略を整えつつある。製品に関しては低価格版を追加した。データベースでは、今年4月に出荷を開始したOracle Database10gで新たに「Standard Edition One」を投入。価格は、最小構成である5ユーザーの場合で9万7650円だ。杉崎正之マーケティング本部システム製品マーケティンググループ ディレクターは、「中堅中小市場に強いマイクロソフトのSQL Server 2000 Standard Editionに対抗するために、従来製品より機能を減らして価格を下げた。SQL Serverの3分の1の価格だ」と語る。

 ERPパッケージ(統合業務パッケージ)に関しては、昨年6月から販売している短期導入を可能にするサービス込みの製品「Oracle NeO」の低価格版を出す。従来は導入費用、ハード、ソフトを含めて約1億円だった。しかし、「それでもまだ高いというユーザー企業からの要望があった」(石川正明クロスインダストリー統括本部ソリューションラボ シニア ディレクター)ために、時期は未定だが5000万円の製品を追加する。このほか、7月からJava統合開発ソフト「Oracle JDeveloper 10g」の1年間ライセンス版を1980円で販売している。

 パートナ企業に対する支援策としては、定価の20~40%という卸値でライセンスを提供する施策を打つ。Oracle Database10g Standard Edition Oneの場合、条件にもよるが2プロセサで3720円となる。開発用やデモ用のライセンスに関しては無償提供もする。

 これらの施策によって、「2、3年後にはデータベース製品の総売上のうち中堅中小企業からの売り上げを50%程度に引き上げたい」(三澤本部長)と目標を掲げる。ちなみに現在の売り上げ比率は37%という。

鈴木 孝知=日経コンピュータ

9月21日追記:本記事6段落目の「(Oracle Database 10g Standard Edition One)は、従来製品より機能を減らして価格を下げた」という部分に対し、日本オラクル広報部より以下の申し入れがありました。(日経コンピュータ編集部)
 Oracle Database 10gから加わったStandard Edition Oneは、従来からあるStandard Editionと比べて、機能を減らしたわけではない。ライセンス価格を下げるために、(1)2プロセサまでのサーバーでしか使えない、(2)クラスタ製品であるRAC(Real Application Clusters)が付属していない、といった制限を設けているが、機能はStandard Editionと同じである。

9月22日追記:本記事8段落目の「定価の20~40%という卸値でライセンスを提供する施策を打つ」という部分に対し、日本オラクル広報部より以下の申し入れがありました。(日経コンピュータ編集部)
 定価の20~40%で提供するのは、オラクル製品を使って開発したパッケージ・ソフトをオラクルの製品紹介サイトに登録できるプログラム「On Oracle」に登録しているパートナー企業に対してだけである。