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米エピアンスのシャンカー氏 「当社の製品が狙うのは、企業のビジネス・プロセスを取得・分析し、よりよいものにして、コスト削減や生産性向上、ひいては売り上げ向上につなげること。長年カイゼンに取り組んできた日本企業には自然に受け入れてもらえると思う」。ユーザー操作支援ソフト「epiplex(エピプレックス)」の開発元である米エピアンスでCEO(最高経営責任者)を務めるラママシー・シャンカー氏(写真)は、こう自信を見せる。

 epiplexは基本的に、利用者がERPパッケージ(統合業務パッケージ)やCRM(顧客関係管理)ソフトなどの業務ソフトを操作する様子を記録し、そこからマニュアルや操作ガイドなどのドキュメントや、eラーニングのコンテンツなどを作成するためのソフト。このため、eラーニングのツールと見られることも多い。

 しかし、シャンカー氏は「epiplexは単なるeラーニングのソフトではない。もっと広い分野を扱うものだ」と強調する。epiplexが目指す方向を、シャンカー氏はBPI(Business Process Inprovement:ビジネス・プロセス改善)と表現する。一連の業務ソフトの操作をビジネス・プロセスとみなし、それぞれの業務ソフトを正しいタイミングで適切に操作できるようにすることが、BPIにつながるという考え方をとる。

 このBPIを実現するために、epiplexは上記の機能に加えて、記録したデータを分析して操作上のボトルネックなどを分析する機能を備える。「どのような動作がビジネスのパフォーマンスを下げているのか、といった分析ができる」(シャンカー氏)。日本では、主にエンジニアリング・ソフトを扱うサイバネットシステムがepiplexを販売している。昨年2月に出荷し、日本では約20社の販売実績がある。9月末には最新版の4.3を出荷する予定だ。

 米国で来年4月末に出荷を予定しているepiplex 5.0では、BPIを実現するために大幅な機能強化を施す。ビジネス・プロセスの自動生成機能に加えて、それぞれの社員が社内標準のビジネス・プロセスにどれだけ沿って作業を進めているかをリアルタイムでモニタリング・評価し、その結果を表示するダッシュボード機能を搭載する計画である。

 「ビジネス・プロセス作成の自動化は本当にできるのか、と顧客によく聞かれる。しかし、それは可能だ」とシャンカー氏は説明する。「epiplexはユーザー操作を記録する際に、単なる画面の遷移だけでなく、なぜそこでこういう操作をしたかという意味論(セマンティクス)の情報までとらえることができる。これを生かして、まず70~80%程度の精度を持つプロセスを作る。そのプロセスに、実際のユーザー操作から得た情報を随時フィードバックし、精度を100%に近づけていくことができる」(シャンカー氏)。日本版は米国での出荷の数カ月後になる見込みだ。

島田 優子=日経コンピュータ