「今のシステム開発の現場は、業務の専門家であるユーザーが取り残された状態で作業が進んでいる。UML(統一モデリング言語)やDFD(データ・フロー・ダイヤグラム)といった、開発担当者が使う表記法で業務要件を表現しても、ユーザーが理解できないからだ」。分析/設計ツール「Xupper(クロスアッパー)」を販売しているケン・システムコンサルティングの三田和一社長は、こう指摘する。

 「業務プロセスの大幅な見直しを伴うようなシステム開発では、特にユーザーの参画が重要になる。そのためにも、ユーザーが理解できる表記法で業務要件を固めていくことが重要だ」と三田社長は続ける。

 同社のXupperには業務要件をまとめた「ビジネス・フロー図」を記述する機能がある。ユーザーが業務のなかでどのようにシステムを利用するかや、システムがどのように振る舞うかを表現する。データベースやパソコン画面といったアイコンと矢印を組み合わせることで、「システムにそれほど詳しくないユーザーでも、業務フローを確認できる」(三田社長)。

 ユーザーやシステムの振る舞いといった業務要件を表現するために、Xupperは文字入りのアイコンを使うようになっている。「受注データの入力」や「在庫データの確認」、「在庫データ」といったシステムの動きに関するアイコンに加えて、「電話による注文受付」や「受注メモの作成」といったユーザーがシステムを使わずに行う作業を表すアイコンがある。これらのアイコンを組み合わせることで、業務のなかでどのようにシステムが利用されるかを表せる。

 Xupperは発売してから今年で10周年を迎えた。今年11月時点の販売本数は累計で4400本。利用企業数は660に上る。Xupperの開発を担当してきたケン・システム開発 製品企画開発部の鈴木規文部長は「多くの開発ツールが消えていくなか、10年もXupperを提供してこれたことは、開発担当者として感無量だ。ロングセラーになったのは、顧客の要望に応えてこれたからだと思う。今後も顧客のニーズを捉えて機能改善を続けていく」と語る。Xupperは、親会社であるソフト開発会社、ケン・システム開発が開発したものを、ケン・システムコンサルティングが販売している。

西村 崇=日経コンピュータ