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 「連結決算の数値確定が、締め日後42営業日から10営業日に早まった。加えて年2回しか公表していなかった連結決算のレポートが、毎月公表できるようになった」。日産自動車経理部グローバルコントロールプロセスプランニンググループの島津智昭主管は、こう語る。同社は2004年3月期の連結決算の集計にかかる日数を4分の1に短縮した。情報システムの変更と業務改革により達成した。

 従来の日産の連結会計システムは、連結決算の確定値を出すために42営業日かかっていた。キャッシュ・フロー計算書の算出といった新しい会計基準への対応は、手作業でしなければならなかった。しかし、同社のカルロス・ゴーンCEO(最高経営責任者)が2000年に、決算を締めてから翌月24日には発表することをトップダウンで決め、社内に決算の早期化を指示した。これを受けて新連結会計システムの構築プロジェクトが始まった。各国子会社の財務データを収集し、国内基準に合わせて再計算したり、グループ内での取引を消しこむ機能などを実装した。新システムは、仏カルテシスのCPM(コーポレート・パフォーマンス・マネジメント)ソフト「MAGNITUDE」を利用して構築、2004年3月期の決算から利用を開始した。

 現在、日産社内で連結決算業務に関わる人数は13人。それは新連結システム構築前と変わっていない。「今までは連結決算の数値を出すのに精一杯だった。新システムを導入した結果、連結の業績の予測や予算策定といった分析作業ができるようになった」と島津主管は効果を説明する。現在、日産では700人が新連結会計システムを通じて、連結の財務データを閲覧している。

 日産は、MAGNITUDEの国内1号ユーザー。同社への導入が成功したのを機にカルテシスは1月27日、日本市場への本格参入を表明した。MAGNITUDEは、企業の財務データを収集し企業が設定したルールに従って連結の財務データを作成するソフト。作成したデータをもとにKPI(重要業績指標)などを分析して、表示することもできる。島津主管の発言は、カルテシスが開催したセミナー内でのものだ。

 カルテシスは、日本ではすでに2001年に日本法人を設立しており、日産のほかに、旭硝子の自動車向けガラスを扱う事業部門AGCオートモーティブで導入実績がある。「日産や旭硝子のように、事業を国際的に展開し、上位400社に入るくらいの大企業を狙う」(カルテシスのディディエ・ベンシモルCEO)。カルテシスの日本法人であるカルテシス・ジャパンのアンリールイ・ドゥ・ヴィルモラン社長は、「年内に4~7社の新規ユーザーを獲得したい」と意気込みを語った。

島田 優子=日経コンピュータ