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 ジャスダック証券取引所は2月9日、同日朝に発生した証券取引システムの停止に関して記者会見を開いた。ある証券会社1社から、株式注文の取り消し指示がジャスダックの証券取引システムに大量に送られたことが、システム停止の引き金になったことを明らかにした。

 ジャスダック証券取引所の永野紀吉代表取締役会長兼社長は、「システム停止によって1時間20分取引開始を遅らせてしまったことは大変遺憾だ。今後はシステム障害への対策を今まで以上に強化する」と話す。

 ジャスダックの証券取引システムが停止したのは、2月9日午前8時31分。証券会社各社から注文を受け付け始めて30分ほどたったとき、メイン・システムが停止した。バックアップ・システムに切り替えて、稼働を試みたがすぐに処理が停止。そこで市場が始まる7分前である8時53分に、ジャスダックで扱う全銘柄について取引開始時間の延期を決定した。

 システムを調査したところ、ジャスダックの取引銘柄、シーマの株式の買い注文を取り消す指示を3000件ほど受け付けて、処理が滞っていることが判明した。これが障害の引き金になったという。1銘柄の取り消し指示の件数としては通常の10倍に相当する。

 システムは、取り消し指示のデータが数分にわたって処理されないと、自動的に停止する仕組みになっている。取り消し処理が終わらないうちに、システムに登録済みの注文指示が先に処理されてしまうのを防ぐためだ。取り消し指示が1件でも、数分にわたり処理されないと、システムは自動停止する。

 この日、ジャスダックの証券取引システムが受け付けた取り消し指示の件数は5000件で、通常の2倍以上だった。このうちの半分以上をシーマ株が占めていた。そこで、処理が殺到していたシーマ株の取引を停止すれば、システムを正常に稼働できると判断。ジャスダックは10時20分からシーマ株以外の取引を開始することにした。

 3000件もの注文取り消し指示を出した証券会社については、ジャスダックは名前を公表しない。「現在詳しいことは調査中だが、その証券会社がもつシステムの発注処理の出し方に問題がある可能性が高い」とみている。

 ジャスダックは2月10日朝までに、注文処理の取り消し指示が大量に押し寄せても停止しないようシステム増強を図る。取り消し指示を受け付けた際の処理方法も見直す。併せて、なぜ3000件もの注文取消し指示があったのか原因を究明し、必要に応じて対策を講じる方針だ。

西村 崇=日経コンピュータ