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 中堅ソフト開発会社のSRAは、2007年3月期までに年間受託開発量の4分の1を、同社がインドに持つソフト開発拠点に発注する。そのため、インド拠点の開発人員数を現在の80人から200人規模に拡充する。同年度に8億円強のコストを削減するのが狙い。

 SRAは2002年から、米国子会社のSRAアメリカがインドに持つ印SRAインディアにソフト開発を発注し始めた。同社は年間、約2万人月のソフト開発案件を受注し、その半分の1万人月を国内外のソフト開発会社に開発委託している。1万人月のうち、2003年度は三百数十人月分をSRAにインディアに発注した。今後はこれを徐々に増やし、2004年度は約800人月、2005年度は1600人月、そして2006年度は2400人月をインド拠点に発注する計画だ。

 インドに発注することで、1人月当たり50万円のコスト削減効果が出ると同社は計算している。ただし同社の鹿島亨社長は「現実的には、そこまでの数字は出ない。3~5人月の案件を発注するとロスが多すぎるからだ。20人月を超えると効果を得られ、達成率は7割」とする。達成率7割で2400人月をインドに出せば、2006年度は8億4000万円のコスト削減を期待できることになる。

 鹿島社長によると、日本企業がインドにソフト開発を出す場合、「現地法人を介して、地元企業に再発注することが少なくない。これに対し、SRAインディアはインド人技術者を社員として採用したうえで、日本の品質基準に合うように開発作業手順を決めているという。例えば、詳細設計ではどういったドキュメントを残すか、品質保証のためにどのような作業をするか、といったことを明確にした。加えて、開発要件を正しく伝えるために、要件を翻訳する「ブリッジSE」を介さず、日本の担当者が直接、英語で要件を伝えるようにしている。

 SRAは2004年4月、中国の大連にも新たな開発拠点を設立した。だが、今後もオフショア(海外への委託)開発の中心はインドになる見通しだ。その理由を鹿島社長は「独SAPのERPパッケージ(統合業務パッケージ)や米オラクルのデータベース・ソフトなどに詳しい技術者が豊富なことに加え、西暦2000年(Y2K)問題の時に米国からの案件でアプリケーション関連ノウハウを蓄積していることが大きい」と話す。具体的には、スパゲティ状になったCOBOLプログラムを修正したり、メインフレーム上のアプリケーションをUNIXに移植したりしたことだ。これと比べ「中国IT産業の歴史はまだ新しく、Windows中心。基幹系アプリケーションの領域はインドの技術者に一日の長がある」(鹿島社長)という。

 ちなみに、SRAインディアは、同社が昨年本格的に開始した「グローバル・サポート」の拠点の一つでもある。グローバル・サポートは、世界規模でビジネスを展開している国内ユーザー企業に対し、インドの他に、米国やイギリス、オランダ、フランス、ベルギーなどになる海外拠点から24時間365日、サーバーを監視するサービスだ。

矢口 竜太郎=日経コンピュータ