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 出版物の流通に関わる業務改善を推進する日本出版インフラセンターが、UHF帯ICタグの実証実験を本格的に開始した。第一段階として埼玉県戸田市にある中央精版印刷で2月11日、造本段階で書籍にICタグを正しく付けられるかを検証した。

 中央精版印刷の生産ラインは印刷から表紙の張り付け、裁断、カバーの装着までを自動で行う。実験では、あらかじめ準備したICタグ付きの用紙を、印刷工程から表紙の張り付け工程の途中で自動で生産ラインに流し込み、書籍の最終ページにICタグを装着した。書籍の本編とは別に読者アンケート用のはがきを挿入するのと同じ要領でICタグを装着したため、生産ラインにはいっさい手を加えていない。

 日本出版インフラセンターは、まず合計9000冊のコミック本にICタグを自動装着。主に造本時のICタグの破損率を調べる。造本には裁断時に書籍を表紙の面から押さえつける、カバー装着時にICタグが付いているページを広げる、表紙を張り付けるために高温の糊を塗る、などICタグを壊しかねない工程が多い。

 生産ラインを流れるコミック本に装着したICタグの一括読み取りの性能も評価する。具体的には、造本を終えたコミック本を出荷用に15冊ずつ自動で束ねる直前の工程で、5冊のコミック本に付いたICタグを一括で読めるかどうか確かめる。さらに今回作成した9000冊のコミック本を使って、書店や図書館へ書籍を運搬する際の入出荷検品の効率化にICタグを活用できるかや、古書店とICタグの情報を共有して盗難抑止に効果があるかなどを確かめる。結果は3月末までにまとめる。

栗原 雅=日経コンピュータ