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 米EMCのジェフリー・ニック上席副社長兼CTO(最高技術責任者)は2月14日、「次世代のITシステムでは、リソース管理、データ管理、アプリケーション管理のそれぞれの間で連携が必要だ」と語った。そのためには、リソース、データ、アプリケーションの状態を記述する「メタデータ」とそれらの間を結ぶ「メタストラクチャ」を標準化する必要があるという。

 ニックCTOによれば、リソースの仮想化やグリッド・コンピューティングといったリソース管理、QoS(サービス品質)を保証するためのアプリケーション(サービス)管理、ILM(情報ライフサイクル管理)によるデータ管理が今はバラバラに行われている状態だという。ベンダーの戦略では「米ヒューレット・パッカード(HP)の『アダプティブ・エンタープライズ』はリソース指向、米IBMの『オンデマンド・ビジネス』はサービス指向、EMCの『ILM』はデータ指向と得意分野に応じて分かれてしまっている」(同氏)。

 ユーザーの立場からすれば、「リソースとアプリケーションとデータがお互いの状況を考えて自動的に連携する」のが望ましいはずだ。例えばデータを中心に見ると、あるデータがアプリケーションからどのように使われているかをシステムが把握し、どのストレージに格納するのが適切かを自動的に判断するのが理想的な自律システムである。これを可能にするのがEMCが提唱する「メタストラクチャ」だ。究極的には、HPのアダプティブ・エンタープライズやIBMのオンデマンド・ビジネスも同じ目的を目指していると考えられる。

 構想は壮大だが、EMCの現在の取り組みはまだILMの枠に収まるレベル。まず第一歩として、買収した米レガートシステムズのインテリジェントなレプリケーション/バックアップ技術や、同じく買収した米ドキュメンタムのコンテンツ/メタデータ管理技術をEMCのストレージ製品に融合する作業を進めている。また、同社のストレージ製品の中にはすでにメタデータを持っているものもあり、それらの製品の間の整合性を取る作業に着手したところだという。

安藤 正芳=日経コンピュータ