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 「かつてMIS(経営情報システム)という言葉が流行っていたころに比べれば、ITは格段に進化している。企業変革は今や、理想を絵に描ければ実行可能だ」。日本IBMの大歳卓麻社長は2月24日、同社が顧客企業、IT関係者向けに開催したイベント「IBMフォーラム2005」の基調講演でこう発言した。「MISが流行ったころは、あるべき姿を描いてもコンピュータや通信ネットワークがまだまだ高価で、それを実現できなかった。ところが現在は当時に比べて、コンピュータや通信の価格が大幅に下がった」と続ける。ビジネスのあるべき姿を実現するITの土台が整ったというわけだ。

 大歳社長は「企業が成功を収めるには、社会や顧客ニーズの変化を敏感に察知し、それに柔軟に対応することが不可欠」と、IBMが標榜する「オンデマンド経営」の重要性を改めて強調。「オンデマンド・ビジネスの実現には、社内だけでなく取引先や顧客までを統合したバリュー・チェーンの構築でビジネスの見える化を実現し、局所最適でなく全体最適に基づいたビジネスのあるべき姿を描くことが必要」と訴えた。「オンデマンド経営の実現には、企業が今後何をやりたいのか、それらの優先順位はどうかといったことを、経営者が明らかにする必要がある」。

 大歳社長はさらに、「全体最適の視点で変化に即応できる強いビジネス・モデルを構築するには、事業単位や機能単位でコア業務とノン・コア業務を判断するこれまでの考え方では不十分。今後は機能をさらにコンポーネントの単位で分割した上で、それぞれのコンポーネントについて、競争優位を追求するところは自前にこだわり、効率化をとことん目指すところは外部を活用するといった判断をしていかなければならない」とした。

 「外部の力を使うことをアウトソーシングと表すと、どうしても無責任に外へ丸投げするといったイメージが強い。だが正確に言うと、外の力を中に取り込む『バイ・イン』である」とも主張した。IBMフォーラムは2月25日まで開催している。

大和田 尚孝=日経コンピュータ