PR

 「日本の景気は今、踊り場といえる状態。これから10年、日本が新たな成長を遂げるには、企業が元気にならなければならない。企業の経営者は、今こそイノベーションで新たな成長を目指すべきだ」。経済同友会代表幹事を務める日本IBMの北城恪太郎会長は2月25日、同社が顧客企業、IT関係者向けに2月24日から開催しているイベント「IBMフォーラム2005」の基調講演でこう述べた。

 北城会長は、現在の日本が抱える課題を大きく五つ挙げた。巨額な財政赤字、人口減小社会の到来、社会保障費の増加、国の競争力低下、労働生産性の低下がそれだ。

 なかでも競争力や生産性の低下については、「企業の競争力が米国や世界の企業と比べて決して高くない」と指摘。「特にサービス業に代表される第3次産業や農業といった第1次産業の生産性が低い」と続けた。「総じて、規制に守られている業種は生産性が低い。これに対して、世界で戦ってきた製造業は生産性が高く競争力もある。企業の生産性向上や競争力強化のためにも、さらなる規制緩和を進めるべきだ」。

 さらに、「企業が生産性や競争力を高め新たな成長を遂げるには、さらなる効率化はもちろん、変化を感知して応える適応力が不可欠。従来の常識にとらわれず、今までとは違った発想で変革(イノベーション)を起こし、さらなる成長で国を元気にしていかなければならない」と主張した。

 北城会長は「講演の最後はいつもこの言葉を紹介している」と前置きした上で、「生き残ることができるのは、強いものでも賢いものでもない。変化に対応できるものだ」と、「進化論」で有名なチャールズ・ダーウィンの言葉を引き合いに変革の必要性を改めて強調した。「もっとも、講演を聴いていただいた方から、『変化が重要と言いながら、いつも最後にダーウィンの言葉を紹介する北城さんの講演スタイルは変化がないではないか』とご指摘いただくことがある。だが、生き残りには変化が重要という事実はいつも同じなんだ」と述べ、会場を沸かせた。

大和田 尚孝=日経コンピュータ