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 EMCジャパンとシスコシステムズは5月25日、分散するファイル・サーバーを1カ所に統合するためのビジネスで協業することを発表した。シスコシステムズは、EMCジャパンのNAS(ネットワーク接続型ストレージ)へのアクセスを高速化するためのキャッシュ・サーバー製品を発売。今後、この製品を使ったファイル・サーバーの統合を両社で提案していく。

 これまで支社や支店に設置されたファイル・サーバーは管理されていないことが多かった。一方で、情報セキュリティの重要性が増すなか、ファイル・サーバーの統合へのニーズが高まっている。ただ、ファイル・サーバーを1台に統合する場合には、WAN経由でのファイル・アクセスが遅くなる問題があった。

 シスコシステムズの新製品は「Cisco 511 File Engine」(写真)。NAS専用のキャッシュ・サーバーで、NAS側と遠隔地(クライアント側)のそれぞれに設置する。クライアントからNASにアクセスしようとすると、クライアント側に設置したFile Engineがキャッシュから応答を返すため、高速にファイルにアクセスできる。クライアント側でファイルに変更を加えた場合は、File Engineがいったんキャッシュし、NAS上のデータを更新する。

 また、File Engineは、ファイル・サーバーで使うファイル・アクセスのプロトコル「CIFS(Common Internet File System)」と「NFS(Network File System)」による通信のオーバーヘッドを低減する仕組みを併せ持つ。CIFSやNFSを使ってファイルにアクセスする際には、1回のアクセスだけで、クライアントからサーバーに対して数百から1000のメッセージが発行される。メッセージの応答待ちが発生するため、LAN上で使っていたときに比べファイル・アクセスは遅くなる。File Engineは、このメッセージを集約する仕組みを備えるため、通信のオーバーヘッドを減らせる。Cisco 511 File EngineはSDRAM(シンクロナスDRAM)を512Mバイト、フラッシュ・メモリーを128Mバイト搭載する。価格は、50ユーザーで212万円(税別)からで、6月1日に出荷を開始する。

 シスコシステムズで実証実験をしたところ、10MbpsのWAN回線を経由して、1MバイトのWordファイルを開くとき、Cisco 511 File Engineを使う場合は、使わない場合に比べ時間が半分に短縮した。また保存するときは、5分の1に時間が短縮した。

 また同日、EMCジャパンは、NAS用のOSやプロセサだけを搭載するゲートウエイ製品「EMC Celerra NSXシリーズ」を発表した。ディスクは搭載せず、同社製のストレージ装置「Symmetrix」か「CLARiX」を利用する。クライアントが増えた際には、Celerra NSXを追加してスケール・アウトさせれば、プロセサなどが増えるため、性能を向上できる製品。最小構成価格は、3500万円(税込み)からで、5月25日に出荷を開始した。

岡本 藍=日経コンピュータ