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 SAPジャパンと日本ヒューレット・パッカード(HP)は6月27日、SOA(サービス指向アーキテクチャ)に基づいて構築したシステムの運用管理で協業すると発表した。両社で合計10人の特別チームを組み、技術検証を実施したり、その成果を実際のユーザー企業に導入したりする。SAPジャパン ソリューション統括本部の玉木一郎バイスプレジデントは、「いち早くSOAに基づいた運用管理の方法を確立し、普及させたい」と話す。

 SOAに基づいた運用管理とは、「ネットワークやハードウエアといったITインフラではなく、ビジネス・プロセスの観点に沿ってシステムを運用すること」(玉木バイスプレジデント)。具体的には、SAPジャパンのミドルウエア群「NetWeaver」を用いて構築したシステムを、日本HPの運用管理ソフト「OpenView Business Process Insight(BPI)」を利用して管理する体制を指す。すでに両社は、SAPの運用管理ソフト「Solution Manager」とOpenView BPI間で、ハードウエアやネットワークの障害情報の共有化といった製品の相互検証を始めている。

 NetWeaverもOpenView BPIもSOAを前提した製品である。NetWeaverは、EAI(企業間アプリケーション統合)ソフトやWebアプリケーション・サーバーなどミドルウエアを組み合わせた製品群の総称。SAPジャパンのERPパッケージ(統合業務パッケージ)だけでなく、既存のレガシーシステムやSAPジャパン以外のパッケージ・ソフトと連携するために利用する。SAPジャパンは、NetWeaverを用いて複数のシステムを連携させ、バックエンドのシステムに関係なくビジネス・プロセスに沿ったシステムを構築する「エンタープライズ・サービス・アーキテクチャ(ESA)」を提唱している。ESAはSAPジャパン版SOAといえる。

 OpenView BPIは、あらかじめ登録したビジネス・プロセスの優先度に従って、システムのリソースを割り当てる機能を備える。この機能を使えば、個別のビジネス・プロセスごとにシステムの状態を管理することができる。このほか、ハードウエアやネットワークの障害の影響を金額に換算して算出することも可能だ。

 「欧米と比較して、日本はメインフレームを利用したシステムが、たくさん残っており、これらを含めたシステムの連携に対するニーズは強い。こうした日本の特殊事情を踏まえながら協業を進めていきたい。来年の前半には、実際の導入事例を紹介できるようにしたい」と玉木バイスプレジデントと話す。

(島田 優子=日経コンピュータ)