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 日本軽種馬登録協会は、競走馬の血統書の出版を止める。5月25日から正式公開している「インターネット血統書データベースサービス」に移行する。今後、新たに書籍としての血統書は出版しない。日本軽種馬登録協会の岩元正文情報システム部部長によれば、「既存の血統書はもう100冊も残っていないのではないか」という。

 日本軽種馬登録協会は日本語版と英語版の2種類の血統書を出版してきたが年々、購入者が減り事業としては赤字だった。また同協会のWebサイトでは以前から、競走馬の血統に関する情報を公開していたが、手作業で更新しなければならない仕組みだった。そこで、Webサイトを全面刷新して手作業の部分をなくし、業務効率を向上させた。

 インターネット血統書データベースサービスは、競走馬の繁殖成績や輸出入情報、父馬と母馬をはじめとした5代分の血統情報などのデータを収録している。登録している競走馬のデータは70万件を超えており、毎年約3万件が新たに加わる。

 現在、POGと呼ばれる競走馬の血統に注目したゲームの愛好者が増えている。Webサイトで広く情報を公開することで、これらの愛好者のニーズにもこたえる。インターネット血統書データベースサービスは現在、無料で利用できるが、将来的には有料化も検討している。

 システムには全面的に、LAPPと呼ぶ組み合わせのオープンソースのソフトを使っている。OSにLinux、WebサーバーにApache、データベースにPostgreSQL、開発言語にPHPを用いて、オープンソース・ジャパンが開発を担当した。

 岩元部長は、「コストを考えてオープンソースを採用した。このシステムは長期間利用するつもりで開発した。何年利用してもサポート切れにならない点も評価している。十分なシステムの性能も実現できた」と話す。

 またデータの複製を防ぐために、トリニティーセキュリティーシステムズのPirates Busterを採用している。同ソフトを使うことで、Webページの保存や印刷を制限して、血統情報の盗用を防ぐのが狙いである。

(中村 建助=日経コンピュータ)