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 「フィッシングの次に問題となるのは、携帯情報端末を使って社内に侵入する手口」。非営利団体「Zone-H」の創設者ロベルト・プリオティーニ氏(写真)はこう話す。

 携帯情報端末とは、PDA機能を取り込んだ携帯電話機や既存のPDAのこと。同氏によれば、「すでにヨーロッパのハッカー集団では、携帯情報端末を使って社内ネットに侵入する手段が熱心に研究されている」という。既存のパソコンだけでなく、攻撃できる端末が劇的に増えれば攻撃回数も増えるしトレースが難しくなる。また、最近の傾向として「企業の情報を得ようとする明確な目的を持ったハッキングは中国からが多く、脅迫などのブラック・メールはロシアをはじめとする東欧が多い」という。

 携帯情報端末は日本でそれほど普及していないが、ヨーロッパでは確実に普及している。また、中国で携帯情報端末が一気に普及すれば、攻撃できる端末も比例して増える。「アジアの中でも特に、台湾や韓国、日本は光ファイバなどのインフラが整っており踏み台には最適である。それだけに注意も必要」(プリオティーニ氏)と警告する。

 Zone-HはWebサイトの改ざんや攻撃手法など各国の情報を集め、その分析結果を英語、イタリア語、フランス語、ロシア語の4カ国語に訳してWebサイトで配信している。ハッカーのコミュニティでは有名なWebサイトで、毎日約100カ国の3万5000人以上のユーザーがアクセスしている。

 Zone-Hは今日から2日間、サイバーディフェンスと提携し、Zone-Hが集めたWebサイト攻略ノウハウをベースに、セキュリティ強化のポイントを学ぶ教育プログラム「Zone-H Webハッキング実戦セミナー」を提供。講師はプリオティーニ氏が務める。同氏は、「アジア地区でZone-Hの認知度はまだ低い。この教育プログラムを通じてZone-Hの活動を理解してもらい、今後は日本語版のWebサイトもオープンしたい」と意気込む。

安藤 正芳=日経コンピュータ