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既存の電話を廃止し、Skypeを通話のメインに据えた――。インターネットを経由した無料通話を可能にする無償ソフト「Skype」を利用する企業が増えている。国内外の拠点間通話をSkypeで置き換えたり、顧客との連絡にSkypeを利用することで、電話代を削減するのが目的だ。国産グループウエアが相次ぎSkypeとの連携機能を提供するなど、業務アプリケーションがSkypeを取り入れ始めたことも、ビジネス利用を後押ししそうだ。

(本間 純)


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図1●Skypeの画面と、世界での登録ユーザー数。配布開始から1年9カ月で3800万人のユーザーを集めた。うち日本は130万人
 月に300万円かかっている電話代を減らしたい――こう考えた中堅電気部材メーカー、クラベの大石徹 管理部部長が目をつけたのは、無償ソフト「Skype」である(図1の画面[拡大表示])。

 Skypeをインストールしたパソコン同士なら、インターネットを介して無料で通話できる。すでに各拠点のインターネット接続環境は整っているので、必要な費用は、各パソコンにつけるマイクとスピーカーくらいである。昨年12月、静岡県浜松市の本社と全国19拠点、中国とベトナムの工場で働く計1100人の社員のうち、200人のパソコンにSkypeを導入。社員を指導して徐々に利用頻度を高めており、「電話代を半減できそうだ」(大石部長)。

 ルクセンブルグのベンチャー企業、スカイプ・テクノロジーズが開発し、2003年8月に配布を始めたSkype。使い勝手や音質の高さが評価され、1年9カ月で3800万人ものユーザーを集めた。日本でも130万人がユーザー登録している。個人ユーザーがほとんどだが、最近はそのコスト削減効果に着目し、業務に利用する企業が出てきた([拡大表示])。

表●Skypeを導入した企業の例

 国産グループウエア・ベンダーが相次ぎ自社製品とSkypeとの連携機能を提供するなど、業務アプリケーションと組み合わせやすくなってきたことも、企業での利用を後押しする。

ソフト開発の現場に浸透

 すでにSkypeを導入している企業の多くは、内線電話としてSkypeを利用することで、通信コスト削減を図っている。冒頭に登場したクラベは、国内拠点間の内線電話と、海外の工場との国際電話をSkypeに置き換えた。古書や雑貨販売のチェーン店を運営する生活考房は、本部と35の店舗間の連絡に使っている。パソコン周辺機器を開発・販売するセンチュリーやノバックのように、海外の生産委託先企業との連絡に利用するケースもある。

 特にソフトウエア開発の現場では、仕事の中心がパソコンということもあって、Skypeの導入を進めやすい。

 ソフトの受託開発を手掛けるアトリスは昨年6月、新オフィスへの構内交換機(PBX)導入を取りやめ、約400万円の購入費用を節約した。社員と協力会社のスタッフ全員、計50人のパソコンにSkypeをインストールし、電子カルテ管理システムを納入予定の筑波大学など、主な顧客にもSkypeを導入してもらった。

図2●オフショア開発でSkypeを活用。中国のソフト開発会社、大連畢特科信息技術有限公司(大連ビートック)のSEは、日本駐在のブリッジSEと本社との連絡にSkypeを活用している
 「決まった顧客と仕事をしている限りはSkypeで十分」と安光正則社長は断言する。外線は、代表番号とファックス用に1本のISDN回線を引いているだけだが、「いざとなれば個々の社員が持っている携帯電話を使えばいい」(安光社長)。在宅勤務時の電話代を精算する必要がないのもメリットだ。

 中国・大連で日本企業向けの受託開発を手掛ける大連畢特科信息技術有限公司(大連ビートック)は、「昨年7月にSkypeを本格利用し始めて以来、毎月100万円から350万円の電話代が節約できた」(山下伸一郎社長)と喜ぶ。同社は、リース物件の建築請負などを手掛ける東建コーポレーションといった顧客企業に中国人ブリッジSEを常駐させている。10人のSEが、平均して1日に2時間30分、Skypeで中国本社のSEと通話(図2[拡大表示])。Skypeが備える音声会議機能を使い、月に30時間ほどは管理職の会議を開いている。


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