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ユーティースターコム(UTスターコム)ジャパンは,通信事業者向けの通信機器などを開発・販売する米UTスターコムの日本法人。ソフトバンクBBに,ブロードバンド・サービス向けの装置を提供してきた。ソフトバンクBBが10月5日に始めたFTTH(fiber to the home)サービス「Yahoo! BB 光」でも,FTTH装置を提供している。中西社長に,FTTH装置の開発から提供までの苦労を聞いた。

(聞き手は中川 ヒロミ=日経コミュニケーション

──ソフトバンクBBに「GE-PON」(gigabit Ethernet-passive optical network)対応のFTTH装置を納入できた決め手は何か。

 GE-PON装置の価格を安くしたことだ。GE-PON装置の1回線当たりの価格は,センター側のOLT(optical line terminal)を何人で共用できるかによって変わる。最大の32人で共用した場合で考えると,2004年春ころで1回線当たり4~5万円程度が相場だった。これを我々は,同時期に一気に半額の2万円程度まで低価格化した。しかし出荷までには相当苦労した。

──どんな点に苦労したのか。
 GE-PON装置の量産を始めたのは今年の5月ころから。苦労したのは,この量産の前である。GE-PON装置の主要部品は,GE-PONのチップセットと光レーザーの部品。この二つの部品をなかなか調達できなかった。

 GE-PONのチップセットは米パッサベの製品を採用したが,パッサベはチップ生産を韓国のサムスンに委託している。このサムスンの生産ラインを競合他社も抑えようとしていたのだ。レーザー部品についても,最近は各メーカーが生産設備を縮小。どちらの部品も,簡単には確保できない状況だった。

 そこで我々は,サムスンとレーザー部品メーカーの三菱電機と直接交渉した。部品の購入数を保証したり,今後も継続的に購入すると持ちかけたのである。この結果,GE-PONのチップセットも,レーザー部品もようやく確保できた。

──今後,どんな製品を販売していく計画か。

 現在のGE-PON装置は,光ファイバを32分岐する方式である。これを64分岐まで高められる装置や,WDM(波長分割多重方式)にも対応する装置などを考えている。ただし多くのユーザーで共用する装置は,FTTHの加入者が増えて必要になるもの。その前に,FTTHの需要を喚起するサービスを提供できる装置を開発したい。

 例えば,ビデオ・ストリーム向けの装置だ。FTTHで単にテレビ放送を流したり,映画をビデオ・オン・デマンド(VOD)で提供しても,ユーザーは使わないのではないか。ネットワーク上のビデオ・レコーダーで,番組を録画予約したり,見たい場面だけを見るようなサービスが必要だろう。こういったサービスが普及するには,家庭内の装置のリモコンの操作性も重要になる。2005年3月ころまでには,こうした環境を実演デモできる装置を作りたいと考えている。