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国内初のオンライン専業銀行として2000年10月に開業したジャパンネット銀行。銀行業ゆえに,Webシステムには高い信頼性を求めた。たとえ大規模災害があってもサービスを止めないために,現用系サイトとほとんど同じサイトをもう一つ用意。設置場所も分散させて,従来の銀行にも劣らない強固なシステムを構築した。

(滝沢 泰盛)

新宿本店にあるジャパンネット銀行唯一の店舗窓口

インターネット専用端末向けに設計されたジャパンネット銀行のトップページ

 「他の銀行と違い,我々と預金者との接点はWebサイトだけ。窓口の代わりになるシステムの安定稼働のためにはベストを尽くした」――。ジャパンネット銀行(JNB)のシステム構築を担当した井上芳夫・IT部IT企画グループ調査役は胸を張る。

 日本初のオンライン専業銀行であるJNBは,50%を出資するさくら銀行をはじめ,住友銀行,富士通,日本生命など8社が出資して2000年9月に誕生した。個人向けの小口取引にサービスを特化させ,2000年10月12日にWebサイト(http://www.japannetbank.co.jp)を“開店”した。預金者には,(1)普通・定期預金の口座開設,(2)口座間の振り込み・自動振替,(3)オンライン・ショッピングのデビット決済――の三つのサービスをインターネット経由で提供する。

 開業後,2カ月間で約3万件の口座を獲得。その後も「口座数は順調に伸びている」(井上調査役)。開業から2年半後の2003年3月までに,100万口座と預金量1兆円の達成を目標としている。この金額は,出資母体であるさくら銀行と比べると口座数,預金量とも約15分の1に相当する。

ネット上に新たな銀行モデルを構築

 JNBのサービスは,預金者であるユーザーとのやり取りを原則Webページとメールというオンラインの手段に限定していることが特徴。銀行業の免許取得の前提条件となる店舗窓口は,新宿本店1カ所だけに設置した。従業員数は50人前後と小規模に抑え,法人向け融資などの営業活動も行わない。

 口座を開設したユーザーには通帳を発行せず,Web画面上で取引履歴を照会可能にすることで代用する。こうして圧縮した人件費などの経営コストを,預金金利や振り込み手数料の優遇に充てるビジネスモデルである。

 一方で,オンラインの窓口しか持たないため,預金者の利便性を高めることにも注力した。まず,Webサイトでは原則24時間にわたってユーザーからの取り引きを受け付ける。

 さらに,パソコン以外のアクセス手段も多くそろえ,ユーザーが自由に選べるようにした。例えば,若年層の利用率が高いブラウザ内蔵携帯電話の「iモード」や,高齢者の利用を見込んだインターネット専用端末2機種に合わせ,それぞれ専用コンテンツを用意してある。

 インターネット経由の取引に不安を持つユーザー向けには,ダイヤルアップ接続用の専用アクセス・ポイントを設けた。この設備は,ユーザーが利用するインターネット接続事業者(プロバイダ)が停止した場合の緊急用のアクセス経路としても利用できる。

※全文は,日経コミュニケーション2001年2月5日号をご覧下さい。

図 ジャパンネット銀行(JNB)のWebサイトのシステム構成
預金者への窓口はインターネットなどのオンライン経由だけに限られるため,サービスを停止させないための対策を徹底した。サイトを構成するサーバーやLAN環境の2重化に加え,同一の構成のWebサイトを関東と関西の2拠点に設置した。天災や通信事業者の事故など,社外で発生するトラブルにも対応するのが狙い。アクセス経路はインターネット以外にも,iモード用携帯電話,ダイヤルアップ接続など複数の経路を用意した。

 本記事は日経コミュニケーションからの抜粋です。そのため図や表が一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。