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設計の自由度が高い広域イーサを選択
WANはリセラーを使い,乗り換えが容易
24時間営業支えるサーバー・クラスタリング


証券準大手の国際証券は,基幹網を自営ATM(非同期転送モード)網から広域イーサネット網に切り替えた。広帯域化により,サーバーを集中配置。既存アプリケーションの連携を強化し,顧客サービスの向上や新規顧客の獲得を狙う。
(杉山 泰一)

 国際証券は2001年10月,広域イーサネット・サービスを使う新しい社内ネットワークを構築した。このネットワーク上で新システムを稼働させ,(1)全国74支店での対面業務,(2)EC(電子商取引)サイトを使ったオンライン・トレード,(3)24時間体制で提供中の電話によるテレフォン・トレード――の三つの営業チャネルの連携を強化する。

営業窓口ごとの口座とDBを一元化

 新システムでは,全支店の4500台のパソコン,東京本社と大阪支社に設置したテレフォン・トレードのための→コール・センター,横浜データ・センター内にあるオンライン・トレード・システムの間で,顧客属性や取引に関する情報をリアルタイムに共有できる。営業チャネルごとに別々に設けていた口座とデータベースを一元化。顧客対応を向上させたり,Webサイトですべてのチャネルからの注文情報を照会可能にするなど,顧客の利便性を高めた。

 さらに,内線電話など従来の自営ATM網で利用していたアプリケーションを2001年12月までにすべて新ネットワークへ移行した。2002年4月中には,経理や人事などの業務を効率化するための本社向けバック・オフィス・アプリケーションも,新規に開発して追加する計画だ。

「店舗,インターネット,電話という3通りの営業チャネルの連携強化は,最も重要な事業戦略。顧客の利便性を大幅に向上させ,業界他社との差異化と新規顧客の獲得を目指す」(鵜川寿信IT推進部長:写真下)。営業収益で業界5~6番手に着ける三菱東京フィナンシャル・グループ傘下の国際証券は,野村,大和,日興の証券大手3グループを追撃する体制を整えつつある。

IT推進部を新設,SIは実績で選定

国際証券 IT推進部長
鵜川 寿信

 新システムの構築作業は2000年10月,総勢20人程度のIT推進部の新設から始まった。2000年12月にはシステム・インテグレータ(SI)を選定。ネットワーク担当として野村総合研究所(NRI)子会社のNRIデータサービス,基幹システムは日立製作所,コール・センターのCTI(computer telephony integration)システムは日本ユニシス,全般的なアプリケーションの開発にはNRIと国際証券の合弁システム会社KBSSを選んだ。

 国際証券は,新システムを短期間で立ち上げるために,証券会社のシステム構築の実績や,国際証券のシステム構築に携わった経験を,重視した。「証券業務には専門用語が多く,予備知識があった方が意思の疎通が容易。また,銀行や保険会社と比べて,店舗数や取引形態,データベースの大きさ,情報のリアルタイム性への要求度合いなどが異なり,独自のノウハウが必要」(鵜川部長)なためだ。

広域イーサで速度8倍,費用2割減

 国際証券が事前に提示した新しいネットワークの条件は,「広帯域,低コスト,柔軟性,信頼性,短期導入の実現」だった。システムの運用管理を容易にしたり信頼性を高めるために,ネットワークを広帯域化してシステム構成を分散型から集中型に変更したかったのだ。以前は,支店ごとにデータベースを置き,夜間のバッチ処理でデータ・センターのデータベースと同期させていたが,「運用管理の負荷が大きかった」(鵜川部長)。

図 国際証券が構築中の新システム
ネットワーク自体は2001年10月に本稼動させた。従来の自営ATM網上にあった各種アプリケーションも移行済み。現在は,本社系システムで使う新規に開発したアプリケーションを追加している最中。


※本記事は日経コミュニケーション2002年4月1日号からの抜粋です。 そのため本文は冒頭の部分のみ,図や表は一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。全文は同号をご覧下さい。そのためにはバックナンバーとして同号だけご購入いただくか,日経コミュニケーションの定期購読をご利用ください。