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 富士通,セコム,東京電力,丸紅の4社は10月26日, CATV事業者にコンテンツ配信やインターネット接続サービスなどの立ち上げから運営支援までを提供する新事業を立ち上げることを正式に発表した。12月にこのための事業会社「ジャパンケーブルネット」(仮称)を設立。2001年4月にサービスを開始する。

 中心となる4社はそれぞれ,インターネット接続,セキュリティ・サービス,バックボーン・ネットワーク,コンテンツなどの分野で強みを持つ。この強みを集約することでCATV事業者に通信から運営まで幅広いサービスを提供できるという。

 事業開始時点では,2カ所の配信センターを持つギガビット・クラスのバックボーン・ネットワークを整備,関東圏でCATV事業者を結ぶ。配信センターには,双方向CATVやディジタル放送配信用の設備,コンテンツ配信用のサーバー,インターネット接続用の設備などを設置する。これらの設備を利用してCATV事業者に放送とインターネット接続のバックボーン・サービスを提供する。

 放送サービスでは,ディジタル放送配信と双方向CATVを提供する。利用するCATV事業者は,ディジタル放送の受信設備を設置する必要がなくなる。

 インターネット接続は,広帯域のバックボーン接続,コンテンツ配信のほか,VoIP(voice over IP),セキュリティや医療などのアプリケーション・サービスなども用意。事業者がこれらのサービスを利用すれば,安価に高速バックボーンを調達できるだけでなく,付加サービスも提供できるようになる。

 さらに,技術支援やコール・センターの代行など運営支援サービスも提供する。

 新会社がライバルと意識するのは,国内最大のMSO(CATV統括運営会社)のジュピターテレコム。すでに20社強を傘下に収め,700万世帯をカバーしている。これに対しジャパンケーブルネットは,2003年時点で約80のCATV事業者へのサービス提供で,1000万世帯をカバーする計画を持つ。目指すはジュピターをしのぐ国内最大の“CATV事業連合”だ。

 ただし,ジュピターのようにCATV会社を傘下に置いて統括するという事業形態は取らない。「CATV事業者をパートナと位置付け,一緒にビジネスを展開する。事業者の独自性を生かして,サービスは自由に選択してもらって結構」(富士通の古河建純常務)という姿勢である。

 このため独立系CATV会社からの出資を含めた事業参画も歓迎する。一方,インフラ整備の資金が不足しているCATV事業者に対しては,資金支援もサービス・メニューとして用意する。資金支援の方法は,株式交換,出資,融資などを検討している。出資を受ける事業者から出資する事業者まで,幅広く集めることで,地域性の強いCATV事業者の大連合を狙う。

(阿蘇 和人=日経コミュニケーション)