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 スウェーデンのエリクソン,英BTワイヤレス,香港の携帯電話サービス事業者のスマートーンは11月14日,携帯電話用のインフラを使ったIPv6の端末間通信に世界で初めて成功したと発表した。携帯電話機やPDA(携帯情報端末)がそれぞれIPv6アドレスを持つ時代が一歩近付いた。

 3社は10月後半から,共同でIPv6を使ったフィールド実験を香港で実施していた。実験した接続形態は,IPv6プロトコル・スタックを搭載したノート・パソコンから,携帯電話を通してスマートーンのIPv6バックボーン・ネットワークに接続するもの。また,携帯電話を使わず,ノート・パソコンから無線LAN技術を使った無線アクセスで直接IPv6ネットワークに接続する形態もテストした。端末が移動しても通信を継続できるローミング技術「モバイルIPv6」のテストも行い,おおむね成功を収めた。IPv6を使った移動体通信の基本的な接続技術はほぼ完成したと言える。

 現在,携帯電話の世界ではIP化の波が押し寄せており,少なくとも有線のネットワーク部分は近い将来IPベースになる見通し。実際に,次世代移動通信システム「IMT-2000」の標準規格を策定するグループ3GPP(third generation partnership project)は,次世代モバイルの基本プロトコルとしてIPv6を採用することを5月に決めている。インターネットや携帯電話の関係者の間には,「IPv6が最初に本格的に使われるのは携帯電話」という見方がある。IPv6が携帯電話に載れば,短期間の内に数億人のユーザーがIPv6利用者となる可能性が高い。携帯電話のIPv6化が進むかどうかは,IPv6の将来を左右しそうだ。

(野沢 哲生=日経コミュニケーション)