商用IX(インターネット相互接続点)事業者である日本インターネットエクスチェンジ(JPIX)は12月8日,東京都江東区のテレコムセンター内に設置した新しいIXの稼働を開始した。新IXの名称は「ベイエリアJPIX」で,第一号ユーザーはNTTドコモである。

 IXはインターネット接続事業者(プロバイダ)同士が相互接続する接続点。JPIXは97年11月に東京都大手町にてIXサービスを始めた国内2番目の商用IX事業者。WIDEプロジェクトが運営するIX「NSPIXP-2」とともに,プロバイダ各社の公衆ピアリング(無償の相互接続)場所としてその役割を担ってきた。ベイエリアJPIXの稼働に合わせ,大手町のIXを「大手町JPIX」と改名した。

 今回のベイエリアJPIXの稼働は,JPIXがもくろんでいる2001年からの全国展開の第一歩となる。JPIXは今後,東京都心に複数のIXを置くだけではなく,名古屋や大阪など全国の主要都市にIXを設置する方針。基本的には「1年に1カ所ずつIXを増やす」(JPIXの伏見徹営業部長)と言う。

 これにより,例えば,大手町JPIXに乗り入れたプロバイダが,JPIXのレイヤー2バックボーン網を介して,名古屋のCATV事業者とピアリングできるようになる。ピアリングのメリットは,両プロバイダのユーザー同士が,途中に別のプロバイダを介すことなく接続できること。多数のプロバイダを経由する場合に比べて通信品質が安定しやすい。

 もっとも,遠隔地のプロバイダ同士を相互接続するIXサービスはすでに国内最初の商用IX事業者であるメディア・エクスチェンジ(MEX)が提供済みである。従来IXは,大手プロバイダ同士が相互接続する場所という意味合いが強く,全国網を持つ大手プロバイダ同士の接続なら,大手町のIXで十分という面もあった。

 ところが最近のIXは,中小プロバイダやデータ・センター,コンテンツ事業者,CLEC(競争的地域通信事業者)などがピアリングする場所に変わってきている。JPIXの全国展開には,こうした状況に対応し,全国の主要都市に拠点を構えるCATV事業者やコンテンツ事業者などをユーザーに取り込む狙いがある。

(米田 正明=日経コミュニケーション)