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 米シスコ・システムズが,同社のルーター製品に次世代インターネット・プロトコル「IPv6」(internet protocol version 6)を対応させる計画を明らかにした。大阪で開催中の「Global IPv6 Summit」で,IETF(internet engineering task force)のIPNGワーキング・グループの議長を務める同社のスティーブ・ディーリング氏が表明。今後,三つの段階を踏んでIPv6対応を進める。インターネットの中核装置であるルーターの最有力メーカーがIPv6対応を正式に表明したことで,IPv6普及に弾みがつきそうだ。

 シスコはまず2001年2月までに,IPv6をサポートしたルーター用ソフトウエア「IOS」の新バージョン「12.2(1)T」を出荷する。2000年3月に表明していた出荷時期(2000年秋)より遅れたが,「前バージョンのIOSの出荷が遅れたので後ろにずれ込んだ。IPv6対応に問題があったわけではない」(スティーブ・ディーリング氏)という。

 ただし,当初のIOS12.2(1)TのIPv6対応は,評価や検証を中心とした早期導入用に位置付ける。そのため,(1)ルーティングをソフトウエアで処理するためIPv4に比べて処理能力が低い,(2)MPLS(multiprotocol label switching)が使用できない,(3)ルーティング・プロトコルが「RIPng」(routing information protocol next generation)と「BGP-4+」(border gateway protocol version 4 plus)だけ,(4)利用できる機種を一部に限定する――といった制限がある。

 IPv6ネットワークの実運用に使えるバージョンは,2001年半ばに投入する計画である。ルーティング処理を高速化すると同時に,MPLSでのIPv6伝送,IS-IS(intermediate system to intermediate system)などのルーティング・プロトコル,IPv4-IPv6変換機能などを追加する。また対応機種の制限もなくす。

 さらにその後,第3段階でルーティング・プロトコル「OSPFv3」(open shortest path first version 3)やマルチキャスト,VoIP(voice over IP)などの機能を追加する予定である。時期は未定。

(阿蘇 和人=日経コミュニケーション)