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 シスコシステムズは4月11日,千葉の幕張メッセで開催している同社の展示会「CiscoWave」会場で,次世代インターネット・プロトコル「IPv6」の正式サポートを開始したと発表した。同社は今後,段階的に対応機能を充実させ,2002年前半にはIPv6対応を同社製ルーターの標準仕様にする方針。会場ではIPv6の通信デモンストレーションも公開し,IPv6の取り組みが進んでいることをアピールした(写真)。

 シスコはIPv6への取り組みを3段階に分けており,今回はその第1段階。具体的には,pingやアドレス解決,TelnetやTFTP(trivial file transfer protocol)などIPv6の基本的機能と,PPP(point-to-point protocol)やルーティング・プロトコルの「RIP」(routing information protocol)などのIPv6版,そして「6to4」というトンネリング機能など。同社のルーター・ソフトウエア「IOS」の「12.2(1)T」がサポートする。SOHOや中小企業向けのエッジ・ルーター「Cisco 800」から大企業のバックボーン・ネットワーク用ルーター「Cisco7500」まで,幅広いルーターに対応する。

 同社は以前から,IOSでIPv6の評価版をリリースしていたが,正式サポートを始めることで,企業や通信事業者が実運用に利用することができるようになる。現在は限定ユーザー向けのリリースだが,6月までに一般企業向けにもリリースする。既存のルーターを12.2(1)Tにバージョンアップすれば,IPv4と同時にIPv6対応になる。

 第2段階のリリース予定は今秋。IPv4とのプロトコル変換や大規模ネットワークのルーティング・プロトコル「IS-ISv6」,IP-VPNサービスに使われる「IPv6 over MPLS」などをサポートする。さらに2002年の前半には,ルーティング・プロトコルの「OSPFv6」(open shortest path first for IPv6)やマルチキャスト,モバイルIPv6,QoS(サービス品質)機能などを充実させた第3段階のリリースをする。

 第3段階では,通信事業者向けの大規模ルーター「Cisco 12000」シリーズを含むすべてのルーター製品をIPv6標準対応にする予定。現在,インターネットで利用されているルーターは大部分がシスコ製。同社の対応ロードマップが大幅に遅れなければ,IPv4からIPv6への切り替えは意外とスムーズに進むかも知れない。
(野沢 哲生=日経コミュニケーション)