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 ソニーとスウェーデンのエリクソンは4月24日,世界中で携帯電話機事業を展開する合弁会社「ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ」を設立することで合意したと発表した。新会社は10月1日から事業を開始する計画である。

 資本金は3億~5億ドル程度の見込みで,50%ずつ折半出資する。社長には井原勝美ソニー執行役員上席常務(写真中央)が就任し,本社はロンドンに置く。新会社には両社の携帯電話事業が移管され,製品の開発と設計から販売,物流,顧客サービスまで一貫して事業を展開する。従業員数は約3500人で,ソニーから1000人,エリクソンから2500人が出向する。

 エリクソンは,2000年度の世界の携帯電話機市場ではフィンランドのノキア,米モトローラに続く第3位のシェアを持つ。新社長に就任する井原上席常務は,「通信機器分野で世界的な企業であるエリクソンと一般消費者向けエレクトロニクス製品で世界的なソニーが組むのだから,数年のうちにこの市場でリーダーにならなければいけない」と語り,新会社ではトップ・シェアを狙う。

 ソニーが新会社設立に踏み切った理由は,「エリクソンが圧倒的な通信技術を持つため」(井原上席常務)。携帯電話向けの基地局や交換機などを製造していないソニーにとって,特にインフラ関連技術の確保は重要な課題だった。エリクソンは,第3世代携帯電話向け交換機の受注数でトップ・シェアを誇るなど,インフラ関連技術には定評がある。さらにソニーは,エリクソンが100カ国以上で携帯電話事業者との協力関係を築いている上,巨額化傾向にある携帯電話機の開発費をまかなうには一定以上の事業規模が必要だと判断したことを設立理由として挙げている。

 一方のエリクソンにとっては,ソニーの一般消費者向け商品の開発力が魅力的だった。また,今後のユーザー・ニーズが通信とオーディオ・ビジュアルの両方の技術を取り込んだ商品に向かうということで,ソニーとエリクソンの意見が一致したことも新会社設立の動機の一つだという。

 ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズは,新しいブランドで携帯電話機を販売する。現時点ではブランド名は未定。ソニー・ブランドおよびエリクソン・ブランドの製品は,いずれ提供されなくなる見通しである。

(杉山 泰一=日経コミュニケーション)