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 北海道総合通信網(HOTnet)など電力系通信事業者5社は4月25日,NECのインターネット接続サービス「BIGLOBE」向けにADSL(asymmetric digital subscriber line)サービスを7月から提供すると発表した。5社はすでに,6月からニフティ向けにADSLサービスを提供することを決めている。東京,名古屋,大阪などではユーザーがADSL事業者を選べる環境が整ってきているが,夏には地方都市でもADSL事業者の選択肢が増えることになる。

 BIGLOBEと組み合わせた「ADSL接続サービス」を提供するのは,HOTnet,東北インテリジェント通信(TOHKnet),北陸通信ネットワーク(HTNet),中国通信ネットワーク(CTNet),四国情報通信ネットワーク(STNet)の5社。5社とも,下り最大1.5Mビット/秒と上り最大512kビット/秒の高速版と,下り最大256kビット/秒と上り最大128kビット/秒の中速版の2種類を用意する。

 料金は電話共用でUSBタイプのモデム・レンタルの場合,高速版が月額6250円,中速版が同5430円。高速版,中速版ともに競合サービスに比べやや高めの料金設定だ。提供エリアは7月以降,道・県庁所在地の中心部から順次拡大するとしている。

 5社のADSLネットワークは,ADSLを使ったアクセス回線と中継網から構成する。アクセス回線にはNTT東西地域会社の電話用銅線を利用。NTT地域の電話局からインターネット接続事業者(プロバイダ)までを中継網でつなぐ。5社のうちSTNetは地域プロバイダのネットウェーブ四国にADSLサービスを提供済み。残りの4社は6月から始まるニフティが最初のADSLインターネット・サービスとなる。

 全国に10社ある電力系通信事業者のうち,個人向けのADSLサービスでは,大都市と地方都市の事業者で戦略が大きく異なる。今回発表した5社が積極的なのに対して,すでに敷設済みの光ファイバを豊富に持っている大都市の電力系通信事業者である東京通信ネットワーク(TTNet),中部テレコミュニケーション(CTC),大阪メディアポート(OMP)は,今のところ個人向けADSLサービスを始める予定はない。

 特に,OMPとCTCは「個人向けのADSLや無線インターネットは提供しない」(OMPの大土井貞夫社長),「光ファイバ・サービス一本に絞る」(CTCの木村洋一社長)と,個人向けADSLサービスには否定的な考えである。
(野沢 哲生=日経コミュニケーション)