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 平成電電が9月5日,市内通話を3分7.5円で利用できる電話サービス「10円電話」を11月から開始すると発表した。市内3分7.5円という料金水準は,東京通信ネットワークや九州通信ネットワークが提供中の3分8.4円を下回り,国内最安値となる。平成電電は,4月に第一種電気通信事業者免許を取得した新興の通信事業者である。

 会見の場で井田高次・平成電電社長は,「VoIPなどの新技術ではなく,熟成した既存の技術を使った“普通の電話”を革新的な料金で提供していく」と宣言。回線獲得目標は法人ユーザーを中心に,2002年度が85万,2003年度が150万としている。

 10円電話は,事業者識別番号として「0083」を使う。ただし,平成電電は10月をめどにマイライン事業者協議会に加入するため,同社にマイライン登録したユーザーは0083を省略できる。同サービスでは,県内通話は一律3分10円,県外通話は2分10円になる。このほか,月額基本料が400円かかる。まず,東京都,大阪府,福岡県,北海道,千葉県,埼玉県,神奈川県,愛知県,兵庫県で提供を始め,その後,順次利用エリアを拡大。2002年4月には全国をカバーする。

 平成電電は10円電話サービスに先駆け,10月からインターネット接続事業者(プロバイダ)を対象とした低額なダイヤルアップ接続回線の提供を始める。同サービスを利用するプロバイダは,「0083」で始まる電話番号を持つアクセス・ポイントをユーザーに提供できる。ユーザーが支払う通信料は,一律で3分7.5円になる。同サービスは,東京都,大阪府,福岡県でスタートし,2002年4月には全国で利用可能にする。

 プロバイダ向けサービスの第1号ユーザーは,平成電電の出資元であるトライネットワークインターナショナル。平成電電は,「さらに数社のプロバイダと交渉を進めているところ」(佐藤賢治会長)である。

 平成電電は現在,光ファイバとWDM(wavelength division multiplexing)装置を使った最大40Gビット/秒の超高速バックボーンを構築中である。電話交換機には沖電気工業の製品を使う。このバックボーンとNTTコミュニケーションズのネットワークとを1県につき1カ所程度で相互接続して,電話サービスを実現する。

 さらに,平成電電は来年4月をめどに,超高速バックボーンを活用して,携帯電話を対象とした割安通話サービスを開始する計画である。同サービスは0083で始まる電話番号に発信したユーザーには,携帯電話と加入電話の間,あるいは携帯電話同士の発着信料金を安くするというもの。佐藤会長は,「加入電話発は3分60円,携帯電話発は3分50円,携帯電話同士なら3分80円ぐらいにしたい」という。加えて,光バックボーンをプロバイダに貸与するサービスも同時期に開始する予定だ。

 ただし,携帯電話向けサービスの開始には大きな不確定要素がある。平成電電は,NTTドコモ,KDDI,J-フォンにネットワークの相互接続を申し込んでいるが,料金交渉が進んでいないのだ。「平成電電は第一種電気通信事業者なので,携帯電話事業者には接続義務がある。NTTドコモとは技術的な打ち合わせまで済ませた。しかし,料金設定権は携帯電話事業者にあるうえ,携帯電話事業者の設備コストが見えない」(佐藤会長)。このため,平成電電は電気通信事業法の改正などの動きを見ながら,本格的な料金交渉に入る意向である。

(杉山 泰一=日経コミュニケーション)