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 英ボーダフォンは9月20日,子会社のオランダ・ボーダフォンインターナショナル・ホールディングスBV(VIHBV)を通じて,日本テレコムの株式の公開買い付けを21日から開始すると発表した。今回の買い付けで,VIHBVは日本テレコムの発行済み株式の21.7%に相当する最大69万3368株の取得を目指す。

 ボーダフォンは現時点で日本テレコムの株式の45%を所有する。今回の買い付けが計画通りに完了すると,最大で66.7%の株式を所有することになり,日本テレコムの経営権を掌握できる。さらに日本テレコムが45.1%の株式を所有するJ-フォン・グループの株式については,ボーダフォンが直接所有する39.7%を合わせて,経済的な持ち分比率が最大69.7%となる。

 日本テレコム株式の公開買い付け価格は1株当たり45万円とした。同株式を15.2%所有する東日本旅客鉄道(JR東日本)は,ボーダフォンの今回の買い付けに賛同。10%以上の株式を公開買い付けに応募する意向である。日本テレコム自身も,ボーダフォンの持ち株比率増加を賛同している。発表会の席上には日本テレコムの坂田浩一会長,ボーダフォンのウイリアム・キーバー南北アメリカ・アジア地域統括社長,JR東日本の大塚陸毅社長が並び,今回の買い付けが友好的なものであることをアピールした(写真,右から坂田会長,キーバー社長,大塚社長)。

 衛星通信で会見に参加したボーダフォンのクリストファー・ジェント社長は,今回の買い付けについて「急速に発展している日本のワイヤレス市場に参加でき,日本における第3世代携帯電話の開発に深くかかわることができる」と狙いを説明。その一方,日本テレコムが所有する固定通信については,「今後日本テレコムの事業を改善し,財務成績を上げることに注力する」として,当面の事業売却や切り離しを否定した。なお,日本テレコムの新社長はボーダフォンが2002年1月までに任命する。それまでは坂田会長と村上春雄・現社長が職務を継続する。

 J-フォン・グループが2002年6月からサービス開始を予定している第3世代携帯電話サービスについては,「今回の買い付けによって,予定やサービス内容に変更はない」(坂田会長)とした。第3世代携帯電話については,この20日に,KDDIがサービス開始を2002年4月に延期すると発表したばかり。J-フォン・グループも今年3月にサービス開始予定の延期を発表したが,来年6月の計画に向け準備が進んでいることを強調した。

(松本 敏明=日経コミュニケーション)