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 ワクチン・ソフトの大手ベンダーであるトレンドマイクロとシマンテックの2社は,9月にユーザーから届け出があったウイルス被害件数を明らかにした。トレンドマイクロの集計結果では,1位:Nimda(486件),2位:MTX(332件),3位:Magistr(201件)となった。シマンテックでは,1位:Nimda(466件),2位:Hybris(280件),3位:Sircam(134件)。両社ともに,Nimdaがトップを占める結果となった。

 突出した届け出数となったNimdaは,9月の中旬に初めて発見されたウイルス。ほかのウイルスに比べ約半分の期間で,最多の被害をもたらしたことになる。Nimdaの被害がここまで広まったのは,サーバーやクライアントを狙う複数の感染経路を持っていたから。米マイクロソフトのWebサーバー・アプリケーション「IIS」(internet information service)のセキュリティ・ホールを悪用するほか,クライアントがWebサイトやメールを閲覧しただけで感染する。特にWebサイト経由で感染するケースが最も多く,政府機関であるIPAセキュリティセンターによると,Nimdaの実害に遭った約半数が,感染したWebサイトを閲覧したのが原因である。

 なお,IPAセキュリティセンターに9月に寄せられたウイルス発見件数は,1位:Sircam(704件),2位:Nimda(323件),3位:Hybris(322件)だった。IPAの数字にはウイルスを発見しただけで実害がない場合の届け出も含むため,ベンダーが出す被害件数に比べてSircamの件数が多くなっている。Sircamは多くのウイルスをメール経由で撒き散らすが,実害は1割程度と少ない。一方,「Nimdaは実害率が突出しており,実に6割を超える」(小門寿明セキュリティ対策業務グループ対策情報発信チームチームリーダー)という。
(閑歳 孝子=日経コミュニケーション)