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 NTTドコモとフィンランドのノキアは11月14日,W-CDMA方式の第3世代携帯電話(3G)の国際的な普及促進を狙い,各種ミドルウエアの統一化を図ることで合意した。W-CDMA携帯電話機を使ったブラウジングやメール,Javaアプリケーションなどの詳細仕様をそろえることで,コンテンツ・プロバイダの国際展開や,W-CDMA携帯電話機を使った様々なサービスの国際ローミングを実現しやすい環境を整える。

 会見には,ドコモの立川敬二社長とノキアのヨルマ・オリラCEO(最高経営責任者)が出席(写真)。まず立川社長が挨拶し,「W-CDMAは標準仕様だが,実際のインプリメンテーションを考えると様々な仕様の絞り込みが必要。これらの仕様を統一することで,W-CDMA携帯電話の普及促進が期待できる」と述べた。一方,オリラCEOは,「オープンなアーキテクチャを作ることは,W-CDMA事業に関与する様々なプレーヤやユーザーにメリットがある」とアピールした。

 具体的には,(1)ブラウジング,(2)メッセージング,(3)アプリケーション実行環境--の3分野で詳細な仕様を統一する。将来的には,セキュリティや認証などの分野でも詳細仕様を固める意向だ。

 (1)のブラウジング分野に関しては,既に「WAP(wireless application protocol)2.0」という業界標準規格がある。しかし,例えばどんなスタイルシートを使うのかといった詳細仕様までは規定していない。ドコモとノキアの両社は,2001年末までの共通化を目指す。

 (2)のメッセージングは,携帯電話機間でやり取りするショート・メッセージとインターネット・メールを融合させた「MMS」(multimedia messaging service)のこと。この分野は標準規格がないため,2003年末までにドコモとノキアで仕様を決めていく。

 (3)のアプリケーション実行環境は,Javaをはじめとしたアプリケーション・プログラムを携帯電話機にダウンロードして動作させるのに必要な技術条件。両社はこれに関連する技術の詳細仕様を統一する方向で検討を始め,2002年後半に合意する予定だ。

 ドコモの木下耕太取締役によると,「各分野とも統一化作業が完了した後,実際にそれを反映した端末が市場に登場するまで半年程度はかかる」。

 また,ノキアは米国時間の11月13日に,W-CDMA関連の業界団体「オープン・モバイル・アーキテクチャ・イニシアティブ」(OMAI)を立ち上げている。OMAIも,W-CDMA関連の様々なミドルウエア仕様を統一する目的で設立した。ドコモとノキアの統一化作業の成果は,このOMAIにも反映する。

 OMAIにはノキアをはじめ,NTTドコモ,米AT&Tワイヤレス,米シンギュラ・ワイヤレス,英ボーダフォン,松下通信工業,NEC,英ソニーエリクソン,シャープ,米モトローラ,韓国サムスンなど18社が参加。今後,参加メンバーを拡張する意向だ。

(杉山 泰一=日経コミュニケーション)