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 12月6日のIT戦略本部(高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部,本部長:小泉純一郎首相)の会合では,情報通信分野の競争を促すための規制改革が議論の主題になった。下部組織である「IT関連規制改革専門調査会」(座長:宮内義彦・オリックス会長)からの報告書を受けたもので,「通信・放送制度を事業ごとの縦割りの規制体系から,機能ごとの横割りの競争促進体系に抜本転換する」という方向性は,おおむね委員の賛同を得たという。

 調査会が目指す改革は,有線通信や無線通信,放送など事業ごとの規制をやめ,通信・放送制度をネットワーク運営やコンテンツ供給など事業の階層に着目した体系に転換させることである。このうちネットワークの階層では,加入者網の運営を卸業務,小売業務に分ける(構造分離)ことなどを通じ,(1)公正競争を一層促進する,(2)各家庭を結ぶ光ファイバ網の構築を促す,(3)無線アクセスなどへの需要に応えるため電波の有効利用策を講じる--などで,ブロードバンド・インターネット網の構築を促すとした。

 また上位のコンテンツの階層では,(1)ネットワーク階層での市場支配力を活用してコンテンツ階層のビジネス展開を有利に進めることを防ぐ,(2)インターネット・コンテンツの充実に向け,著作権など権利情報を蓄えたデータベースの整備と簡便な許諾システムの確立--などを改革のテーマに挙げた。

 ただし,委員の中では「本来は規制はないほうがいい。自由に(事業展開を)やらせてほしい」(NTTの宮津純一郎社長)との発言もあり,今後,IT戦略本部がどこまで具体的な改革を打ち出せるかについては不透明である。

(玄 忠雄=日経コミュニケーション)