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 NTT東日本は2月8日,ADSL(asymmetric digital subscriber line)回線の伝送速度を推定するシステムを2月12日から実験運用すると発表した。実験で算出するのは,ユーザー宅とNTT局を結ぶ電話線の伝送速度の推定値。ユーザーは,ADSLサービスに加入する前に伝送速度の目安を把握できる。

 ADSL回線で伝送速度が低下する原因の一つには,電話線におけるADSL信号の減衰が挙げられる。電話線は,長く細いほど伝送速度が低下する。同一ケーブル内にISDN回線がある場合も,ノイズの影響を受けて速度は落ちる。この実験では,こうしたユーザーごとの環境を加味し,伝送速度を推定する仕組みである。

 実験には,全国のユーザーが参加可能。参加条件は,アナログ・モデムとインターネットに接続できる環境があること。まず,Webサイト(http://www.dlqs.jp/)から測定用のソフトをダウンロード。このプログラムを実行すると,テスト・サイトに自動的にダイヤルアップ接続する。およそ1分間の実験を3回実施した後,伝送速度の推定値を5段階評価で示した結果をユーザーにメールで通知する。

 ただし,ユーザーが使うアナログ・モデムの信号出力や銅線の心線径などによっては誤差が生じる。また,実際にインターネット接続に使う場合は,接続するWebサーバーまでの混雑なども影響をおよぼすため,推定された伝送速度が出るとは限らない。

 実験は,政府の認可法人である通信・放送機構(TAO)の研究の一環として,NTT東日本が受託したもの。日本で提供されているADSLサービスの方式をすべてカバーする。具体的には,(1)下り(NTT局からユーザー宅方向)が最大8Mビット/秒のG.992.1の北米仕様「Annex A」,(2)G.992.1の日本仕様「Annex C」,(3)下り最大1.5Mビット/秒のG.992.2のAnnex A,(4)G.992.2のAnnex C――の4通りである。

(閑歳 孝子=日経コミュニケーション)