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 総務省は2月19日,ブラウザフォン向けコンテンツの評価機関「協議会」の設立を延期することを明らかにした。協議会は,移動通信事業者が選定した「公式サイト」向けに提供する料金回収代行サービスを,広く一般サイト(勝手サイト)に開放するために作ろうとしていた組織。協議会が認定したコンテンツは,公式サイトと同様に料金回収代行サービスを受けられるようになる。

 iモードをはじめとするブラウザフォン・サービスでは,移動通信事業者のポータル・サイト内に掲載される「公式サイト」かどうかかが,コンテンツ・プロバイダにとって命運を分ける。公式サイトは,アクセスが容易な上,ユーザーのサービス使用料を回収代行するサービスを受けられるからだ。

 ただし公式サイトになれるかどうかは,移動通信事業者の判断による。このため,公式サイトになれなかったコンテンツ・プロバイダからは不満の声が挙がっていた。そこで,一定の基準を満たしていれば料金回収代行サービスを受けられるように,総務省主導でコンテンツの内容を審査する評価機関(協議会)を設置する方向で動いていた。

 当初総務省は,2月28日をめどに協議会のベースとなる「発起人会」を発足させ,3月末に協議会を立ち上げる計画だった。ところが,ここにきてNTTドコモとKDDIが協議会の設置に難色を示した。問題となっているのは,協議会の位置付けがあいまいな点である。今のところ協議会設立のめどはたっておらず,一般サイト向けの料金回収代行サービスの提供は暗礁に乗り上げた。

 現在,総務省が提案するモデルでは,協議会は移動通信事業者などが自主的に運営する機関との観点から,法令による強制力は持たない。「法制化すると運用面で協議会の柔軟性が失われる」(総務省)。移動通信事業者が問題視しているのはこの部分である。いったん認定したコンテンツであっても,その後内容が変更され問題になった場合,責任は移動通信事業者にふりかかることになるからだ。

 NTTドコモは現在,協議会の設立に関して「どのような歩み寄りができるか検討中」としている。ただし,「ブラウザフォン市場の拡大を考えれば,料金回収代行サービスの開放は我々にとってもメリット。総務省の示したモデルを全面的に否定しているわけではなく,問題になっているのは細部」(NTTドコモ)という。KDDIも同様のスタンスだ。一方,J-フォンは今回の協議会立ち上げに基本的に賛同しており,「前向きに立ち上げていきたい」としている。

 協議会には,NTTドコモ,KDDI,J-フォンの移動通信事業者3社と,社団法人のディジタルメディア協会および日本インターネットプロバイダー協会,財団法人の日本データ通信協会といった業界関係団体,および業界関係者などが参加する。総務省はオブザーバーとして参加する。