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 松下通信工業は「CeBIT 2002」で,GPRS(general packet radio service)方式のパケット通信機能を持つGSM携帯電話機「GD87」と「GD67」を展示した(順に,写真上,写真中)。どちらもCeBIT初日の3月13日に発表した新製品。GD87は2002年10月をめどに,GD67は夏をめどに欧州やアジアで発売する。GD87は,松下通信工業としては初めて小型カメラを内蔵した製品。同社はカメラ付き携帯電話機を,日本でもまだ提供していない。

 GD87もGD67も,GSM(global system for mobile communications)携帯電話機としては高機能。松下通信工業によると,欧州市場で携帯電話機が昨年,各ベンダーとも投げ売り状態になっていたという。売れていたのはエントリー・クラスの安い製品ばかりで,大半のベンダーが厳しい事業収支となった。「需要が伸び悩んだのは,普及率がすでに50~70%を超えて新規需要を見込みにくくなったほか,魅力的な製品が少なかったことも要因。そこで,日本でのノウハウを盛り込んだ高機能製品を出すことにした」(松下通信工業モバイルコミュニケーションカンパニーの辰巳能久海外モバイルターミナルビジネスユニット営業部長)。

 欧州市場で携帯電話機は,新製品でも1万円以下で発売される機種が少なくない。一方,日本のNTTドコモ向け製品なら発売当初は3万円前後する。GD67は,日欧のこの価格差を埋めるべく,両者の中間的な価格で発売する。GD87はもう少し高額になる見通し。松下通信工業は,GD67で販売収益を稼ぎ出し,GD87で商品力の高さを消費者にアピールしたい考えである。

 GD87とGD67はいずれも,カラー液晶ディスプレイを搭載。GD87は,携帯電話機間でテキストのほか静止画なども送受信可能なショートメッセージ規格の最新版「MMS」(multimedia messaging service)に対応。ブラウザはWAP2.0に準拠する。また,GD87は欧州・アジアの900Mと1800MHzに加えて米国の1900MHz帯にも対応したトライバンド機で,GD67は欧州・アジア向けのデュアルバンド機である。

 松下通信工業は,海外向け第3世代携帯電話(3G)端末に関しては,まだ具体的な発売計画を発表していない。NTTドコモが出資する事業者グループなどと協議を進めている模様である。CeBITでは,日本で発売中のテレビ電話機能付き3G端末「FOMA P2101V」を展示するとともに,同社のFOMA向け無線基地局を使った仮設ネットワークを構築。P2101Vの実機を別の場所にいる二人に持たせ,テレビ電話を使ったゲームなどを実施した(写真下)。携帯電話機の新製品が多数展示されたCeBITで,現時点でテレビ電話ができる製品はP2101Vだけである。

(杉山 泰一=独ハノーバー発)