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 米モトローラは「CeBIT 2002」において,2月中旬に発表したGSM(global system for mobile communications)/GPRS(general packet radio service)対応の第2.5世代携帯電話(2.5G)機5機種とW-CDMA方式の第3世代携帯電話(3G)機1機種を展示した。携帯電話機ベンダー大手5社のうち,W-CDMA方式の3G端末を発売すると発表したのは,モトローラだけである。「イギリスの3G事業者であるハチソン3G UK向けに,2002年第3四半期から発売する」(マイク・ザフィロフスキー・パーソナル・コミュニケーション・セクター最高責任者)予定だ。

 CeBITに向けて,携帯電話機の大手ベンダーが,W-CDMA方式の3G端末を発表すると見られていた。しかし,実際にはトップ5社のうち,具体的な製品発表をしたのは業界2位のモトローラだけだった。これは,(1)英ボーダフォン・グループ各社など欧州の大手3G事業者のサービス開始が早くとも9月と見られ,3G端末を正式発表するのは時期尚早と判断,(2)2001年度の業績が低迷したため,3G端末を発表して消費者の興味が分散しないよう,2.5G端末を発表するという現実路線を選択,(3)小型・軽量の3G端末の開発はまだ難しい--といった点が主な理由のようだ。なお,2001年の携帯電話機の販売台数は,フィンランドのノキアがトップで,3~5番手は韓国サムスン,独シーメンス,ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズである。

 モトローラの3G端末の第一弾は「A820」と呼ぶ製品である(写真上)。W-CDMAだけでなく,GSMとGPRSにも準拠。GSM/GPRSに関しては,欧州・アジアで使う900MHz帯と1800MHz帯に加え,米国の1900GHz帯にも対応する。これは,「ハチソン3G UKなど大半の3G事業者は,提供エリアを補完するためにサービス開始当初はW-CDMAとGSMやGPRSとのデュアルモード,トライモードでサービスを開始する」(ザフィロフスキー氏)ためである。デザインや機能を多少変更する可能性はあるものの,A820の日本での発売も計画しており,「NTTドコモやJ-フォンと交渉を進めている」(同氏)。

 A820は,大型のカラー液晶ディスプレイやMP3ファイルやMPEG-4ファイルの再生機能,MMS(multimedia messaging service),専用カメラ(オプション)といったマルチメディア機能を持つ上,J2ME(Java 2 Micro Edition)とWAP(wireless application protocol)2.0に対応。さらに,SDメモリーカード/MMCスロットを装備するなど非常に多くの最新技術を盛り込んだ。Bluetoothヘッドセットも利用できる。その代わり,高さ135×幅53×厚さ24mmで重さ157gと,GSM携帯電話機の主流のタイプと比べると大きく重い。

 モトローラは,2.5G端末の新製品として,「T720」(写真中左),「V70」(写真中右),「V60i」(写真下左),「V66i」,「A388」(写真下右)も展示している。いずれも他社製品と比較して,個性的な外観を持つ。「市場が成熟してきているので,デザインは非常に重要。デザイン面で業界をリードしたい」(ザフィロスキー氏)考えである。ただし,カラー液晶ディスプレイを搭載するのはT720だけである。また,5製品のうち3機種がWAP1.2.1に対応。MMSやBluetoothに対応した製品はない。発売時期は,V70とV66iとA388の3機種が2002年6月,T720は8月,V60iは11月である。