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 携帯電話機とPDA(携帯情報端末)を一体化した「スマートフォン」市場に,米マイクロソフトの携帯機器向け組み込みOSを搭載した製品が,いよいよ登場する。ドイツで開催されている「CeBIT 2002」の会場で複数のベンダーが新端末を展示した。まず英mmO2が5月に欧州で「O2 XDA」(写真上)を出荷する。英センドも早ければ7月に米国で「Z100」(写真中)を,米ヒューレット・パッカード(HP)は夏に欧州で「Jornada 928 Wireless Digital Assistant」(写真下)を,それぞれ提供する。さらに,CeBITには展示されていないが,米オーディオボックス(Audiovox)が4月にも米国で「Thera」と呼ぶスマートフォンを発売する。

 TheraとO2 XDA,Jornada928は,マイクロソフトが2月19日に発表した「Pocket PC 2002 Phone Edition」を採用した。同ソフトは,携帯機器向け組み込みOS「WindowsCE 3.0」とブラウザやワープロ・ソフト,表計算ソフトなどのセットであるPocket PC 2002搭載のPDAに,通話機能を付加する。

 Theraは,オーディオボックスが東芝に製造を委託する。東芝が発売中のPocket PC 2002対応PDA「GENIO」をベースとした製品になる見通しである。Jornada 928 WDAも,発売済みのPocket PC2002対応PDA「Jornada 568」と基本的なデザインや主要機能・性能はほぼ同じ。これに携帯電話機能を内蔵し,通話時に使う発信ボタンと着信ボタン,電波の受信状態を表示するサブ・ディスプレイなどを追加した。なお,O2 XDAは英mmO2が新規に開発した製品である。

 一方Z100は,マイクロソフトがPocket PC 2002 Phone Editionと同時に発表した「Windows Powered Smartphone 2002」(旧Stinger)を採用した。Smartphone 2002は,スマートフォン向けOSとブラウザ,インスタント・メッセンジャーなどのアプリケーション・ソフトのセットである。Z100は,900M,1800M,1900MHz帯の三つの周波数帯に対応したGSM(global system for mobile communications)方式の携帯電話機で,GPRS(general packet radio service)方式のパケット通信機能を持つ。2.2インチで解像度176×220ドット,6万5536色表示の液晶ディスプレイや,赤外線通信規格の「IrDA」とパソコン向け規格の「USB」,MMCスロットなどの外部インタフェースを装備する。これだけの機能を持つものの,容量は99ccで重さは99グラムというコンパクトな形状となっている。

 センドは,99年8月設立の新興の携帯電話機ベンダー。現在,20カ国で22のGSM携帯電話事業者に端末を提供している。事業者ごとにカスタマイズした端末を積極的に提供する戦略を採っており,例えば英ヴァージン・モバイル・ブランドの製品を提供中である。特定事業者に特化したソフトウエアを搭載したり,事業者のブランド・ロゴをプリントした端末は,日本では一般的だが欧州やアジアでは珍しい。

 なお,これらスマートフォンは携帯電話機能を持つため,実際にユーザーに製品を販売するのは,端末ベンダーから納品を受けた携帯電話事業者になる。TheraはcdmaOne/cdma2000事業者の米ベライゾン・ワイヤレスが,Z100はGSM/GPRS事業者の米シンギュラ・ワイヤレスが,それぞれ発売する。O2 XDAは,mmO2のGSM/GPRS携帯電話子会社である英BTセルネットと独ファーグ・インターコム,オランダのテルフォート,アイルランドのデジフォンを通じて発売される。Jornada928 WDAの提供事業者はまだ明らかにされていないが,GSM/GPRS事業者になる見通しである。