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 5GHz帯を使った無線インターネット接続サービスが2002年内にも登場する見通しとなった。総務省の情報通信審議会の下で検討を進めてきた結果,屋外で利用できる周波数帯の確保にめどがついたためだ。近く情通審の情報通信技術分科会が検討結果を公表する。

 これを受けて総務省は,2002年秋にも制度整備を完了し,高速なホットスポット・サービスや家庭向けのFWA(加入者系無線アクセス)といった無線アクセス・サービスへの参入事業者を受け付ける。5GHz帯の無線アクセス・システムは,最大54Mビット/秒などの高速通信を期待できる。一方,現在の主流である2.4GHz帯を使うIEEE802.11b規格は,最大で11Mビット/秒である。

 5GHz帯は,すでに5.15G~5.25GHzが屋内向けに開放されており,IEEE802.11a規格に基づいた無線LAN製品をソニーやアイ・オー・データ機器など数社が販売している。しかし,2.4GHz帯が医療・産業機器やアマチュア無線と周波数を共用しながら屋外利用を実現しているのに対して,5GHz帯は屋外向けの周波数が確保できていなかった。

 情通審がまとめた検討結果は,航空機のMLS(自動着陸誘導システム)用に割り当てられた5.03G~5.091GHzの約60MHzを,暫定的に無線アクセスに利用するというもの。一方で本来の割り当て候補だった4.9G~5GHzは,固定マイクロ波通信と周波数を共用する形で開放するものの,特に都市部での利用は実質的に無理と結論付けた。そこで総務省は,MLSの周波数帯を暫定的に無線アクセスに開放し,2007年をめどに固定マイクロ波回線の有線化を促して,無線アクセスを移行させる方針と見られる。

 今回開放する5GHz帯は,無線アクセスだけでほぼ電波を専有できるため,2.4GHz帯と比べて電波干渉が少ないというメリットがある。また,複数の事業者で同じ周波数帯を共用するものの,互いの電波の検出方法や電波送信のタイミングに一定の基準を設けたため,電波の衝突を繰り返して通信が不能になるといった事態も避けられる。

(玄 忠雄=日経コミュニケーション)