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 日本テレコムは4月25日,固定通信事業の経営計画構想「プロジェクトV」の詳細を発表した。ウィリアム・モロー社長は「これまでの固定通信事業を分析。明確な戦略を策定した。赤字体質から脱却し,すみやかに利益を出せる体質へと生まれ変わる」と宣言(写真)。しかし,具体策については明確なビジョンを示さなかった。

 プロジェクトVの目標として掲げるのは,(1)2002~2004年度の法人向けデータ通信と管理サービスで,年間収益の2けた増を目指す,(2)キャッシュ・フローを大幅に増やす,(3)2004年度までに10%を超えるEBITDAマージン(収益性を示す指標の一つ)を達成する,(4)2002~2004年度の設備投資を最大で30%削減する──の4点。このために固定通信事業を,有望な「コア事業」と不採算事業の「ノンコア事業」に分け,コア事業に集中的に資源を投下する。

 ただし,コア事業とノンコア事業の線引きはあいまいだ。「最大限に価値を生み出せるように,現在検討中」(モロー社長)。今のところ,個人・法人向けの電話およびデータ通信サービスなどがコア事業に,子会社が手掛ける印刷事業やインターネット接続サービス「ODN」,xDSL(digital subscriber line)接続サービスの「J-DSL」,CATV事業への出資などがノンコア事業に入る見通し。ノンコア事業については,事業の売却や事業の整理・統合などを進める。

 コスト削減については,設備投資の中止や契約の見直しにより,「すでに80億円の支出削減効果を達成した」(モロー社長)。今後も営業経費や人件費,広告・マーケティング費用の削減などを進める。また,組織の再編と効率化を図り,意思決定のスピードも早める。今後は組織構造改革の一案として,持ち株会社機構の導入も検討しているという。
(川崎 慎介=日経コミュニケーション)