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 沖電気工業と米タホ・ネットワークスは5月23日,タホが開発中の携帯電話網向けエッジ・ルーター「Mobile Internet Edge」(MIE)の開発と販売に関する提携を発表した。既にアジア地域の複数の携帯電話事業者がMIEを試験的に導入しており,改良を加えたうえで今秋をめどに製品化する。沖電気は,MIEの日本市場向けカスタマイズなどを手がける。

 MIEは,携帯電話網とIPネットワークを相互接続するルーター。NTTドコモの「iモード」などのブラウザフォン・サービスを提供するのに使う。通常のルーターとは異なり,IPルーティングだけでなく,携帯電話網を介して伝送されるデータをIPパケット化する機能を持つ。さらに,VoIP(voice over IP)やQoS(quality of service),NAT(network address translation),ファイアウォールなどの付加機能もある。

 携帯電話事業者はこれまで,膨大な数のサーバーを組み合わせた複雑なシステムによって,各種のモバイル・インターネット・サービスを実現してきた。MIEは単体でこうしたサービスを実現できる。事業者は,新サービスの開発に必要な時間や費用を削減でき,サービス開始後の運用・管理の負荷も軽減できる。

 日本以外の国ではまだ,モバイル・インターネット・サービスは普及していない。その上,資金面で余裕のない携帯電話事業者が多い。このため,MIEのような製品への潜在需要は高い。タホのアンソニー・アレスCEOは,「この分野で最も進んでいる日本向けの製品を開発することは,世界戦略の上で欠かせない。日本市場で多くのことを学び,日本以外の国にも優れた製品を提供したい」と述べた(写真上)。

 タホは,米シスコ・システムズや米オープンウェーブ・システムズ,米インクトゥミ,米レッドバック・ネットワークス,フィンランドのソネラなどから携帯電話とインターネットに強い人材を多数集め,技術力を高めてきた。5月2日には日本法人を設立し,元ジュニパー・ネットワークス社長の設楽常巳氏を社長として迎えた(写真下)。設楽氏は,「日本のブラウザフォン・サービスも,複雑なシステムで実現されている。各事業者とも次世代機器を模索している中,日本でのビジネス・チャンスは大きい」と見る。いずれはインターネット接続事業者向けのMIEも提供する意向である。

(杉山 泰一=日経コミュニケーション)