コムワークスは,cdmaOne携帯電話や第3世代携帯電話システム「cdma2000 1x」のバックボーン・ネットワーク機器を中心に提供している。具体的には,「Total Control 1000」というシリーズで,携帯電話のパケット通信網とIP網を結ぶゲートウエイや,携帯電話機の位置管理用装置などである。さらに同社は,今後予想されるモバイル・データ通信トラフィックの急増に対応するための製品として,「Total Control 2000」を用意している。アーファン・アリ社長(写真)は,「1000とは設計を一新し,データ・トラフィックの収容能力を20倍近く高めた」と胸を張る。ただ,3G携帯電話では,W-CDMA方式を採用している事業者がcdma2000 1xよりも多い。このため,W-CDMAの通信機器市場にも手を広げ,GGSNを投入する。
3G携帯電話では将来的に,音声もデータもIPパケットで伝送する「オールIP」化が進むと言われている。ただし,現行の携帯電話と同レベルの音声品質を保つにはまだ課題が残る。例えばcdmaOneやcdma2000 1xのパケット通信網では,パケット通信時の端末の位置管理にインターネット標準のモバイルIPと呼ぶ技術を使う。この技術は一般に,現行の携帯電話と比べてハンドオーバー時のタイムラグが大きくなる。
これに対しコムワークスの製品は,モバイルIPだけではなく,高速なハンドオーバーにも対応できる後継技術「モバイルIPv6」の実装も可能にしている。バックボーン・ネットワーク側は問題解決の糸口が見えているという立場から,アリ社長は「オールIPネットワークで通話品質を高めるための問題は,無線区間の方が深刻だ」と語った。