ネットワーク分野の総合展示会「NetWorld+Interop」(N+I)が現地時間の9月9日,米国ジョージア州アトランタで開幕した(写真)。期間は9日から13日まで(展示会は10日から12日まで)。今回はコンピュータ関連製品の展示会「COMDEX」との共同開催であるため,名称は「NetWorld+Interop and COMDEX Atlanta 2002」となった。

 今回のN+Iで注目度が高いテーマは,(1)無線LAN,(2)セキュリティ,(3)VoIP(voice over IP)――など。例えば,最新のネットワーク技術をマルチ・ベンダー環境で検証するInteropNet Labs(iLabs)では,IEEE802.11a/同b方式の無線LANで,相互接続性を確保しながらセキュリティを高める方法のデモなどを実施する。

 無線LAN,セキュリティの両分野は,他分野に比べてベンダーの出展数が突出して多い。それぞれが専用の「ゾーン」を設け,競合ベンダーが集まって展示する。無線LANではVoIP携帯電話を開発した米シンボル・テクノロジーズ,企業向け無線LAN製品を手がける米プロキシムなどが参加する。セキュリティではイスラエルのチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ,侵入検知システム「RealSecure」を手がける米インターネット・セキュリティ・システムズなどが名を連ねる。

 VoIPでは,IPネットワーク上で通話を確立するための呼制御プロトコルに焦点を当てた会議が開かれる。具体的には,米マイクロソフトの「Windows Messenger」などが採用し,次世代標準の候補となったSIP(session initiation protocol)の優位点や,現在使われている他の呼制御プロトコルを包含するための手法などについて議論する。

 しかし今回のN+Iは,規模の面では寂しさが否めない。COMDEXとの共催にもかかわらず,出展数は195社・団体にとどまった。2000年には500社以上が出展していた。米ワールドコムの経営破たんに象徴される米国の通信不況に加え,2001年に同時多発テロが発生した9月11日を会期中に迎えることが大きく影響している。