中部電力は10月25日,11月27日から開始する個人向けFTTH(fiber to the home)サービス「commuf@」(コミュファ)の料金表と契約約款を総務大臣に届け出た。
戸建て住宅向けの「コミュファ・ホーム」では,月額6500円でメール・アカウントを5個使える「スタンダードプラン」,月額5800円でメール・アカウントを1個使える「エコノミープラン」の2メニューを用意。エコノミープランは,現時点で名古屋市内で提供される同等のサービスと比較して最安値となる。このほかマンション向けとSOHO(small office home office)向けのプランも用意した。
commuf@のサービス・エリアとなる名古屋市内は,FTTHサービスの激戦区。中部電力がFTTHサービスを11月から開始すると発表した9月25日以降,FTTHサービスを提供していた有線ブロードネットワークス(usen)とNTT西日本が対抗策を打ち出した。
usenは10月1日,個人向けサービスの料金を改定。1メール・アカウント込みの戸建住宅向けサービスを月額6100円から6000円に値下げした。NTT西日本は10月初めから,FTTHサービスの「Bフレッツ」にエキサイトのインターネット接続サービス「BB.excite」を組み合わせ,5900円の料金を前面に打ち出した集客活動を進める。ただし,メール・アカウントを1個使えるようにすると,月額料金は6180円となる。こうした集客は名古屋地域独自のものだ。
中部電力は「後発である以上,名古屋地域で最安値はゆずれない」(増田義則ひかりネット・カンパニー計画・管理グループ部長)という思いが強い。競合他社の動きを見て,最安値となるよう10月25日まで「総務省に料金表の届け出をするのを待った」(中部電力)。9月25日には未発表だったエコノミープランを投入し,最安値の座を手に入れた。
ただし,BB.exciteが年末までに契約すると1年間プロバイダ料金が無料になるキャンペーンを実施しており,これを利用するとNTT西日本の料金は月額で5680円になる。名古屋地域での“FTTHサービス料金合戦”はまだ激化しそうだ。