インターネット接続サービス「@nifty」を運営する国内最大のインターネット接続事業者(プロバイダ)のニフティは10月31日,2002年度上期(4月~9月)の業績と,今後の事業計画を明らかにした。2002年度上期のADSL(asymmetric digital subscriber line)やCATVインターネットなどのブロードバンド会員数は43万。売り上げは前年同期比7%増の337億円だった。
下期は,ブロードバンド会員の獲得に一層力を入れる。ブロードバンド市場を,これまでのパソコン通信市場,ダイヤルアップ接続中心のプロバイダ市場に次ぐ「第3世代」の市場と位置付けて,会員獲得を目指す。具体的には,(1)高品質なインフラ,充実したコンテンツなど従来サービスの強化,(2)IP電話サービスやビデオ・チャットなど,ブロードバンドで実現するコミュニケーション・サービスの強化,(3)無線LANアクセス・サービスへの対応など,ユビキタス・ネットワークへの対応--の三つのポイントに重点を置いて事業を進める。
中でもIP電話サービスについては,「早ければ2002年内にも提供を開始する」(古河建純社長)。ブロードバンド・サービスの利用者向けに,付加サービスとして提供する。IP電話への着信については,専用番号「050」を割り当てる予定だ。また,サービス開始当初から複数のプロバイダと相互接続する計画で,「現在,他のプロバイダと協議を進めている」(古河社長)。
ニフティでは,これらの新サービスや,従来のコンテンツ販売などを合わせ,2002年度通期で前年度比10%増の700億円の売り上げと,75万のブロードバンド会員の獲得を見込む。