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 総務省のDSL(digital subscriber line)作業班は1月17日,2回目の会合を開催した。DSL作業班は3月までに,ADSL(asymmetric DSL)などの電話線を使う技術の干渉問題について基本ルールを作成する計画。今回は4時間にわったって議論したものの,各社の意見がまとまらずに終わった。

 ソフトバンクBBは,同社のADSLサービス「Yahoo! BB」の通信速度や太束ケーブル内での収容状況についてデータを提出。ソフトバンクBBの孫社長は,「当社が調べた実際のデータと,スペクトル管理で進めるシミュレーション結果には大きなズレがある。事実を変えることはできないのだから,シミュレーションの条件などを変えるべきだ」と強調した。

 一方NTT東日本は,複数の条件下のシミュレーション結果を提出。「条件を変えても,技術間の干渉の度合いの相対関係は変わらない。シミュレーションに意味はある」と反論した。さらに住友電気工業は,「実環境は様々な要因があるものの,完全に考慮すると計算が複雑になるため,ある程度簡略化する必要がある」と主張した。

 DSL作業班での基本ルールが決定してから2カ月以内に,干渉が小さいため制限が付かない「第1グループ」か,干渉が大きいため制限を付ける「第2グループ」かが決まらなければ,自動的に「第2グループ」となる。ソフトバンクBBの孫社長は,「データを出して協力している。それなのに議論が紛糾して時間切れとなり,Yahoo! BBが第2グループに強制的に振り分けられるようなことになれば私は暴発します」と各社をけん制した。

 2回目の会合からはメンバーの一部が入れ替わった。ソフトバンクBBは,構成メンバーが国内向け技術に対応する通信機器メーカーなどに偏っていると主張。そこで1回目のメンバーだったNEC,沖電気工業,松下伝送システム,KDDIが抜けた。代わりに,ソフトバンクBB向けにADSL機器を提供している台湾のアンビット・マイクロシステムズやユーティスターコムジャパンに加えて,日本テキサスインスツルメンツ,STマイクロエレクトロニクスがメンバーに加わった。

(中川 ヒロミ=日経コミュニケーション)